自分の正確な余命を知りたい
昨年の8月に亡くなったオリビア・ニュートン=ジョン。このブログで何度も書いているように、ボクにとってミューズであり歌姫だった歌手。そのオリビアが第一線を引いたとき、20代だったボクはとても寂しい思いをした。
そんなとき彗星のごとく登場した歌手がいる。それはデビー・ギブソンというアメリカのシンガーソングライター。どことなく若い頃のオリビアのイメージがあって、ボクはすぐにファンになった。彼女が来日すると必死でチケットを取り、大阪城ホールのコンサートに2度行っている。
だけデビーもオリビアと同じように第一線から消えた。といっても音楽活動をやめたわけじゃない。ミュージカルに出演したりと、ずっと活動を続けてきた。そして2021年には20年ぶりに『The Body Remembers』というスタジオ録音のアルバムをリリースしている。
デビーのInstagramをチェックしていると、現在はそのアルバムツアーで北米を回っている。そしてアクティブな彼女は、数日前にそのアルバムに収録されている『Love Don’t Care』という曲のミュージックビデオを公開した。
すでに52歳のデビー。ブレイクした頃の彼女に比べたら、確かに年齢を重ねている。キュートなイメージではなく、すっかり大人の女性。でもこのビデオを見るとわかるけれど、美しいプロポーションをキープしている。アーティストとして相当な努力をしているんだと思う。
ライム病と戦いつつ音楽活動を続けているデビー。そんな彼女を応援する意味を込めて公開されたばかりのビデオをリンクしておこう。
オリビアの死はショックだったけれど、どんな人もいつかは死ぬ。ボクの年齢になると、そのことを本気で考えるようになる。ボクの願いとしては、自分の正確な余命を知りたい。明晰夢で4月に死ぬのは見たけれど、それがいつの4月なのかを本気で知りたいと思っている。
なぜなら悔いなく残りの人生を過ごしたいから。余命など気にせず、毎日全力で生きられたらいい。だけどそうもいかないのが人間。終わりがわからないと、ついつい今の時間が永遠に続くように思ってしまう。
本を書く時でも、出版社から指示された締切があるから全力で向き合える。どうせいつか終わるのなら、その日をボクは本気で知りたい。だけど教えてもらえないんだよね。明晰夢や体外離脱中に何度かトライしたけれど、知っているはずの存在からは笑って相手にしてもらえないwww
ところがもし余命を知らされたとしたら? そんな状況をテーマにした小説を読んだ。
2023年 読書#57
『ふたりの余命』高山環 著という小説。タイトルに惹かれて読んだけれど、とても素敵な物語だった。主人公は男子高校生の惟也と女子高生の楓。いい小説だったのでネタバレはしないでおこう。
惟也はある出来事でミナモトと名乗る武士姿の死神に会う。ある条件に合致したことで、自分の余命を教えてもらえることになった。同じ状態なのが楓で、彼女の余命は1年。そして惟也の余命は2年だった。その代わり、二人には一つだけ願いが叶えられる。余命を伸ばす以外のことなら。
全体としてはこの二人の恋愛物語。だけどある事件を探るというミステリでもあり、生まれ変わりにも言及するのでファンタジーとしての要素も強い。とにかく余命がクローズアップされていて、二人に共感することで自分の残された時間に思いを馳せることができた。
二人はある事件をきっかけにして、余命を同じにした。惟也が自分の余命を削って楓にあげることになったから。二人は同じ日に死ぬことを決めたけれど、結果としてそうはいかなかった。この設定に関してだけ。ボクは少し違和感を覚えた。不満はそれだけかな。ちょっと切ない、心温まる物語だった。
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