あの世で思い出したいこと
台風7号が近畿に近づいてきた。神戸は午前中には晴れ間もあったけれど、午後からは厚い雲に覆われている。ボクが暮らしている神戸六甲では、午後4時でまだ雨は降っていない。だけど風はかなり強くて、いよいよ台風という雰囲気がしてきた。明日は朝から大荒れの天気だろう。
そんな台風のことを思いながら、ボクはあることを考えていた。人間の記憶を強化するものとして、気象というのは影響が強い。過去の出来事を思い返すとき、その時の気候を絡めて記憶していることがある。
あの日は強烈に寒かった。雷が鳴っていた、突然夕立が降ってきた、というように、記憶がその出来事の気象と紐付けされていることが多い。そういう意味では、今日という日は記憶に強く残ると思う。
・妻の誕生日。
・新刊本『夢体脱』の発売日。
・台風7号が近畿直撃。
この3つの要素だけで、ボクは2023年8月14日という日をリアルに思い出すことができるし、実際に何度も思い返すだろうと思う。そしてこの世での人生を終えてあの世に行った時、やはり今日という日をリアルに思い出すはず。
ボクはある出来事があると、あえて強く記憶に残すようにしている。その最大の目的は、あの世でこの人生を振り返る思い出を作りたいから。人間が死んでからあの世に持っていけるのは経験だけ。つまりそれは記憶。だから忘れたくないことを、強く心に刻みつけている。
ボクが「あの世で思い出したいこと」には、ある一定のルールがある。それは『平凡で穏やかな日々』というもの。
人間が生きていれば、悲喜こもごもの出来事が起きる。嬉しいことがある反面、悲しかったり辛いことも起きる。それらのことは、意識しなくても記憶に残る。だけど平凡で穏やかな日々は、あえて記憶に残さないとぼやけてしまう。
実はそんな平凡な日々こそ、宝物のように貴重な時間だと思う。今日のボクはそんな宝物に囲まれている。
腎臓病だけれど、猫のミューナは幸せそうに過ごしてくれている。3人そろって妻の誕生日と新刊本の出版を祝い、楽しい夕食とお気に入りのケーキを食べる。こんな平凡で穏やかな時間は、何もにも代え難い貴重な宝物。
例えばミューナが体調を崩しても、そんな穏やかな日々は消えてしまう。ボクたち3人で過ごす日は、いつか終わりがやってくる。一人抜け、二人抜け、という感じでチームはいつか解散する。だから3人そろって過ごせる今日という日は、平凡で穏やかだけに、明確に記憶しておきたい。
そしていつか全員がこの世を去った時、3人で集まって今日の日を思い出して語り合いたい。だからボクは「平凡で穏やかな日々」を意識して記憶している。今日もいい日だったなぁ。
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