悪魔のような人間にも愛がある
人に見られる仕事をしている人って、自分を律することに妥協しないのだろうね。昨日、ケイティ・ペリーの新曲のミュージック・ビデオを見てそう思った。オーランド・ブルームと正式に結婚して、2020年の8月にデイジーという名の娘を出産。それから1年半しか経っていないのに、ビデオを見て本当に出産したのか疑ったwww
だって身体は引き締まっていて、以前よりセクシーになった感じがする。アレッソとのコラボで『When I’m Gone』という曲を昨年の暮れにリリース。そして先日にそのミュージックビデオが公開された。節制をしてトレーニングを積んだのだろうなぁ。ダンスのキレもバッチリ。いやぁ、マジで驚いた。
ケイティの場合、結婚してさらにミュージシャンとして深みが増したような気がする。おそらく結婚することの決意によって、何らかのプラス作用がうまく働いたんだろうね。そんな幸せな結婚もあれば、死を決めたことによる結婚もある。ある本を読んで、その決意にさまざまなことを考えさせられた。
2022年 読書#4
『私はヒトラーの秘書だった』トラウデル・ユンゲ著という本。『ヒトラー最後の12日間』という映画を観て、その原作となった書籍をチェックした。ヨアヒム・フェスト著の『ヒトラー最後の12日間』という歴史研究書はすでに読了して、このブログで内容を紹介している。具体的なドイツ軍の動きなどが書かれていて、とても勉強になる本だった。
そしてその映画のもう一つの原作がこの本。映画もトラウデルが秘書になるシーンから始まり、ヒトラーの死後、ベルリンの地下要塞を脱出するまでが描かれている。この本はその前後に事情について、さらに詳しく書かれている。
彼女は当時20歳を過ぎたばかりで、政治情勢に関心があったわけじゃない。だからナチスが戦争に突き進むなか、プロバガンダとして報道されていることを鵜呑みにしていた。だからヒトラーと毎日一緒に食事をするような状況だったのに、ナチスの虐殺について知らなかった。
そのことを証明するかのように、戦後は裁判によって無罪の判決を受けている。それだけに素直な若い女性の視点で捉えたヒトラーの素顔を知ることができる。映画よりさらに興味深く、そして戦争の悲惨さをかえって強く感じることができた。
ヒトラーの悪行について語っても意味がない。知られていることばかりだから。だけどトラウデルという女性にとってのヒトラーは、まるで父親のような優しい紳士だったとのこと。男性が多い参謀本部。当然ながら若い女性秘書は目立つ。
だからもし男性関係で困ったことがあれば、すぐに私に言いなさい、とヒトラーは仕事の初日に話してくれた。そしてその言葉を守るかのように、死の直前まで秘書たちを気づかう姿勢を崩さなかった。
ヒトラーは体調のこともあって、ずっとベジタリアンだったそう。このことも知らなかった。さらにタバコ嫌いで、彼の前では誰も喫煙できなかった。トラウデル自身も、戦後にヒトラーの実情を知ってショックで愕然としている。だけどそのことをふまえつつ、彼女が見たヒトラーについて語っていた。
悪魔のような人物であることに変わりはない。だけど人間としてそれが全てではないということ。秘書への態度を見ていると、そんな彼にも愛が存在していた。ボクはそのことを知れただけでも、この本を読んだ価値があると思っている。彼の行動を正当化するという意味ではなく、全ての人間の心に存在する愛を信じることができたから。
その愛は、ヒトラーの恋人であるエヴァ・ブラウンに対する態度でもわかる。13年も恋人として交際していて、1945年の4月29日に二人は結婚している。それは二人が自殺する前日。生涯を通じて妻帯者ではなかったヒトラーが、死の前日に妻を迎えて既婚者として死んだ。その想いに、エヴァに対する気持ちを感じた。
エヴァのことを話すときのヒトラーは、本当に幸せで楽しそうだったとのこと。そんな彼の愛は、愛犬にも注がれていた。愛犬と遊んでいるとき、ヒトラーは心から彼らを愛しているのがわかったそう。この本は個人の主観による備忘録だけれど、歴史的に貴重な作品だと思う。
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