SOLA TODAY Vol.319
LGBTという言葉が、かなり一般的になってきた。とてもいい傾向だと思う。ちなみにこの略語の詳細をご存知だろうか?
Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシャル、Tはトランスジェンダー、いわゆる性同一性障害をさす。アメリカでは州によって同性の婚姻が認められているし、日本でも東京の世田谷区や渋谷区で、同性のパートナーシップを公に認める制度が整いつつある。
だけどマイノリティという言葉が示すように、まだまだ世間的な認知は得られていない。テレビでゲイであることをカミングアウトするタレントさんが増えているけれども、職業によってはまだ嫌悪感を示す人が多いだろう。例えば政治家。
そんなLGBTに関する興味深い記事を読んだ。
「私はゲイです」文京区議がカミングアウト 死別したパートナーへの思い
7月6日に、東京の区議5人が集まって記者会見を開いた。性的指向と性自認に関連する人権擁護を目的とする「LGBT自治体議員連盟」の発足を発表するため。その席で文京区議の前田さんが、公の場で自分がゲイであることをカミングアウトした。
なぜそのタイミングで発表したかのインタビューを読んでいて、まだまだ日本では性に関する固定観念が強いことを思い知らされた。ボク自身はLGBTに対して以前から偏見も差別意識もないけれど、世間ではそうはいかないらしい。
前田さんは15年前にパートーナと死別したとき、相当苦労されたようだ。救急車でパートナーが病院に運ばれたとき、家族でなければICUに入ることは許されない。法的に配偶者と認められないと、同居人は他人でしかない。
幸いにもパートナーの家族といい関係を築いておられたようで、パートナーの両親が家族だと病院側に説明してもらえて立ち会うことができたとのこと。だけど結果的には単なる同居人では面会を継続できず、最期を看取ることができなかった。
告別式はさらに辛い。本来なら喪主になる立場のはず。だけど高齢の親戚たちが理解できないだろうということで、親族席にすわることはできなかった。遺品はパートナーの両親の行為で受け取れたが、普通ならあきらめざるをえない。
なぜ今までカミングアウトできなかったといえば、やはり「怖かった」とのこと。議員になったときにも議会事務局に嫌がらせの連絡があったり、信頼して打ち明けた人にゲイだと言いふらされたりした。
だけど議員も5期となり、社会を変えていかなければという焦りを感じた、と述べられている。それでカミングアウトすることを決め、議員連盟を発足されたとのこと。そうすることで、同じ悩みを抱えている人が声を出しやすい雰囲気を作っていきたい、と考えられている。
アメリカのトランプ大統領が選挙中、LGBTの人たちを揶揄するような発言をしたことで、大勢の人が今でも反発している。世界的な流れとしては、多様性を受け入れていこうという方向に向かっている。だからその反発は当然だろう。
日本でもこのような動きが広がり、東京だけでなく全国に広がっていくことを期待している。誰もが自分らしく生きられてこそ、本当に成熟した社会だからね。
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