SOLA TODAY Vol.387
コンビニは滅多に行くことがないけれど、人手不足だと報道されている業種のひとつ。けれども世界的な流れとしては、コンビニの無人化が進んでいる。日本に比べてキャッスレス化ではるか先を進んでいる中国で、無人のコンビニがすでに稼働している。日本は明らかにIT後進国となりつつある。
いずれ日本でも無人のコンビニが登場するだろうけれど、気になるのは万引き等の盗難行為。セキュリティに問題がある店舗ならば、無人コンビニは立ちいかなくなってしまう。その点、IT先進国の中国はどうなっているのか?
無人コンビニ時代の到来】中国無人コンビニでほぼ盗難ゼロのその秘密、「盗難したら損」の状況を見事に構築
驚いたことに、中国の無人コンビニは、盗難被害がほぼゼロとのこと。その仕組みを知って、なるほどと手を打ってしまった。
無人コンビニは施錠されていて、IDを兼ねたアプリを利用することで入店できる。裏を返せば、誰かのIDを奪って入店することが可能だということ。だけど無人コンビニに設置されているのは、それだけじゃない。
商品に関する画像認証システム、退出時に持ち出す商品が決済されているかどうかを判定するセンサー、無死角360°カメラなどを含め店内は多数のセンサーが配備されているらしい。なんだかすごい!
だからIDアプリで入店しても、他のセンサーを使うことで本人かどうかを、コンピュータがバックヤードで検証している。おそらく顔認証等も利用しているのだろう。新しいiPhoneでも顔認証が使われているからね。
入店認証と実際の人物がちがった場合、警告が出る。そしてもしその人物が商品の決済をせずに退店すると、入店認証の本人に通知が行く。もし他人にIDを貸すなど身に覚えがあれば決済に応じればいいし、そうでなければブラックリストに入店者のデータが公表されて、中国の公安当局に通報される。
日本の警察とちがって、中国の公安は怖いよ〜。公務員が汚職すれば、死刑になっちゃうくらいだから。
さらにこの無人コンビニは場所も厳選されていて、比較的民度の高い場所に置かれている。例えば大学の構内とか、マンションの敷地内とか。あまり犯罪が起きない地域を選び、かつ完璧な防犯システムで守り、不正があれば即座に警察へ通報する。
このことによって、無人コンビニでも盗難が起きないらしい。よく考えたよね。
もし日本でも無人コンビニを設置するとしたら、同様のことを考える必要があるだろう。ただし日本では、入店した個人を特定できるデータベースが構築されているとは思えない。その点、日本独自の二段階認証が求められるのかも。
どちらにしても、無人コンビニができるのは時間の問題だろう。そしてそのうち、スーパーのレジも無人になる。「働く」ということについて古い概念にとらわれていると、時代に適応できず右往左往することになる。
少なくとも今までの10年とこれからの10年は、すべての分野において進化のスピードが極端にちがうことを意識しておくべきだと思う。
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