どのリスベットがお好き?
物語には様々なキャラが登場する。ボクは強い女性のキャラが好きで、自分の小説でも書くことが多い。映画だと『オール・ユー・ニード・イズ・キル』という作品でエミリー・ブラントが演じているリタという女性兵士は、ボクの好みのど真ん中!
そして小説では言うまでもなく、『ミレニアム』シリーズの主人公であるリスベット・サランデルという天才ハッカー。彼女が登場する第5弾の作品を読了した。
『ミレニアム5 復讐の炎を吐く女』下巻 ダヴィド・ラーゲルクランツ著という本。
この本の上巻についての感想は『ありゃ、マジで怒らせちゃったよ』という記事に書いている。この記事のタイトルどおり、上巻での悪役は、リスベットをめちゃめちゃ怒らせている。
なぜなら彼女が信頼している人物は二人。一人はこの物語でリスベットと同じく主人公として活躍するミカエル。そしてもう一人は彼女の後見人として悪魔の精神病院から救い出してくれたホルゲルという老弁護士。
上巻でリスベットの過去について疑念を持ったホルゲルが、その陰謀の首謀者に殺されてしまう。介護がなければ普通に生活できないような老人を殺すわけだから、相当のワルだということ。その犯人はラケル・グレイツという女性精神科医だった。
ラケルは身寄りのない双子を見つけ出し、まったく正反対の環境でどのようなちがいが出るかを研究していた。裕福な家庭と虐待が日常化している2つの家庭に里子に出すように仕向け、悲惨な人体実験をくり返していた。遺伝子のもつ優位性を証明するという研究だった。
リスベットには双子のカミラという妹がいる。幼少時に二人はラケルに目をつけられ、実験対象になりそうだった。そのことを知った弁護士のホルゲルが動いたことで、彼は殺されてしまう。その他にもミラーツインという双子の男性が事件にからんでくるけれど、ここでは省いておこう。
とにかくラストではリスベットがその陰謀を明らかにする。追い詰められたラケルは、リスベットに殺されるくらいなら自殺しようとする。ところがリスベットはラケルの自殺を制止する。
リスベットは人を殺すような人間じゃない。怒り狂っているけれど、命を奪って復讐しようとしない。社会的制裁を受けさせるために、彼女はラケルの自殺を止めた。そのときのリスベットのセリフが、シビれるほどカッコいい〜〜!
ラケルはガンを患っている。だからいずれ死ぬことはわかっている。だからリスベットに「殺せばいいわ」と言う。だけどリスベットは「あんたにそんな権利はない」と言い切る。
「わたしにとって、ホルゲルは本当に大切な人だった。つまりね。ラケル、がんじゃとても足りないってこと。あんたには恥にまみれて死んでもらう。言っておくけど、そのほうがはるかにつらいはず。ありとあらゆる醜聞を掘り起こして、あんたの悪事だけが人の記憶に残るようにしてやる。あんたは自分の汚物のただ中に葬られる」と言ってリスベットはラケルを警察に突き出す。
もうカッコよすぎる! この小説を読むと、本当に胸がスカッとする。ということでリスベットを知らない人のために、そのイメージを紹介しよう。
まずはスウェーデンの映画に登場したノオミ・ラパス のリスベット。
続いてハリウッド映画でダニエル・クレイグが演じるミカエルと共演したルーニー・マーラのリスベット。
そして最後は今年の2月に映画が公開された『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』でリスベットを演じたクレア・フォイ。
それぞれ雰囲気は出ていると思う。あなたの好みのリスベットは?
ボクは迷うことなくノオミ・ラパス のリスベット。ボクにとってリスベットは彼女しかいない。この写真を見比べたら、彼女の目力パワーは他の二人を圧倒しているよね。
この小説は第6弾で完結するそう。今年中には出版されるのかな? 早く読みたくてウズウズしている。
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