最悪の想定は無駄じゃない
たとえネガティブだと人に言われても、最悪のことを想定しておくのは無駄じゃないと思う。
ボクはどちらかといえば楽観的な人間。なるようにしかならない、というのが行動の根底にある。そんなボクでも、最悪のことは考えている。でないと何らかの突発的なトラブルが起きたときに対処できないから。家族を守る立場として、それは当然だと思う。
そしてそれは個人という単位だけじゃなく、地域、組織、そして国家としても、常に最悪のことを想定しておくべき。
先日G20が日本の大阪で無事に終了した。そのサミット関連のニュースを見ていて、日本は最悪の事態を想定した具体的な対策を考えるべきタイミングが来たと感じた。
日米安保見直しの可能性をトランプが示唆した今、これが日本の進むべき道だ
日本へ来日する直前になって、トランプ大統領が日米安全保障条約の破棄について述べた。いつもながら駆け引き上手なトランプさんらしい発言だと思う。参議院選挙が終わったあとの日米貿易交渉において、アメリカを優位に持っていくための布石だという意見が多かった。おそらくそうだとボクも思う。
だけどある部分でアメリカの本音であるのは事実。そしてその言い分には説得力がある。日本としては基地費用の負担等を含めて、経済的な部分で対等な条約だという認識をしている。バランス的にはそうであっても、やはり『命』を張っている兵士の立場はちがうだろう。
日本が他国に攻撃されたら無条件で米兵は戦ってくれる。だけどアメリカが攻撃されても、現状の日本では自衛隊の行動が制限されている。『命』ということに限定すれば、不平等だというアメリカの意見は妥当だと思う。
この記事にも書かれているけれど、日本政府としては日米安保が存在しない最悪のことを想定しておくべき。もしアメリカ軍が日本から撤退すれば、中国にしてみればそれほどありがたいことはない。いまの時代に侵略戦争なんて起きないよ、と考えている人は平和ボケだと思う。
中国政府がチベット民族に行ったことや、ウィグル自治区でいまも行われてる恐ろしいことが、日本人に起きる可能性はゼロじゃない。アメリカ軍がいなければ、尖閣諸島に舟を近づけて自衛隊を挑発することができる。もし突発的にどちらかが発砲するようなことが起きれば、もう理由なんて必要ない。
一方的に攻撃を受けたと事実を捏造してでも、武力行使に出ることは考えられる。戦争は意図的に起こすものだというのは、過去の歴史が証明している。そんなときに日本が憲法9条を掲げても、水戸黄門の印籠にはならない。相手に笑い飛ばされるだけだろう。
ボクは日本の軍備を増強するべきだと考えているのではない。いまはアメリカが守ってくれているけれど、そうではない状態を想定しておくべきだと思っている。たとえば中国以外の近隣諸国と手を組むことで、中国が軽率な行動に出られないような新しいバランスを作れるかもしれない。
日米安保破棄なんてトランプ大統領のパフォーマンスだよ、と笑っている場合じゃないと思うんだけれどな。楽観的なのと思考停止は別だからね。最悪のことを想定して準備をしておくのは、責任のある立場として当然のことだと思う。
ブログの更新はFacebookページとTwitterで告知しています。フォローしていただけるとうれしいです。
『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。