老化はなかったことにできる?
ブッダが説いたとおり、生き物にとって生老病死は避けられない。貧富や身分の差にかかわらず、遅かれ早かれ人は老い、死を迎える。
だけどもし『老い』というものが思い込みだとしたら?
老化というものがなかったことにできるかもしれない。そんなことを想像させる記事を読んだ。
114歳の女性から採取された細胞の年齢を完全リセットすることに成功
タイトルだけ見ると驚くけれど、これはiPS細胞のこと。iPS細胞とは大人の細胞の遺伝情報をプログラムし直すことで、生まれてすぐの細胞と同じような状態になったもの。ここからあらゆる細胞に変化することが可能となるので、様々な病気への応用が期待されている。
ただしある学説があって、年齢を重ねすぎた人の細胞は再プログラムが無理だということが言われていたらしい。だったら何歳までなら大丈夫なのか。
その上限を見極めるため、高齢者の細胞を対象にして研究を進めた。そうすると100歳以上でも成功例が出てきた。ということでさらに実験を継続した結果、なんと114歳の女性の細胞からiPS細胞ができたとのこと。
こうなると従来の学説が見直され、iPS細胞に関して年齢は考慮する必要がないという結論に傾きつつあるそう。そしてその女性の細胞によって、さらに驚くことがわかった。
人間の細胞には「テロメア」と呼ばれている年齢カウンターがある。染色体を守るキャップようなもので、細胞分裂をくり返すたびに短くなる。やがて機能しなくなることで細胞分裂が不可能となり、人間は寿命を迎えるとのこと。つまりこれが老化ということだろう。
ところがこの女性の細胞からiPS細胞を作ると、なんとその「テロメア」がリセットされた。3分の1の確率なのでそれほど高いものではない。だけど研究者の操作によって、114歳の細胞が0歳と同じ細胞にリセットされた。
これはすごい。「テロメア」は短くなっていつかは使えなくなる不可逆的なものだと考えられていた。時間を巻き戻すことができない、と。
なのにリセットすることができる。その機能があるのにもかかわらず、人間や動物たちは使っていないということかもしれない。もしその気になれば、老化をなかったことにできるのかも。
ただし『その気』になるのは難しい。体調的にも、見た目にも、年齢を重ねると老いを感じる機会が増えるばかり。ましてや子供のころから人間は老いるものだと刷り込まれているから、その概念を刷新するのは難しいだろう。
結局、人間の想いが現実を作るというこことなのかもしれない。本気で『老いない』と確信できたら、細胞がリセットするかもよ〜www
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