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高羽そらさんインタビュー

悪魔の弱点は潔癖症だった

どれほど恐ろしいラスボスであっても、どこかに弱点がある。逆にいえば勝機を得るなら、その弱点を見つけて攻めるしかない。

 

ある小説の悪魔は、関わった人々を別次元に連れ去り、全滅というところまで追い込んだ。だけどそんな恐ろしい悪魔にも弱点があった。

 

その弱点とは、なんと潔癖症だった〜〜www

 

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2021年 読書#25

『レギュレイターズ』下巻 リチャード・バックマン著という小説。上巻の感想については『完璧すぎる二次創作』という記事に書いているので参照を。

 

リチャード・バックマンというのは、世界的なベストセラー作家であるスティーブン・キングの別名。キングとして書いた『デスぺレーション』という小説のキャラを使って、まったく別の物語として書いたのがこの作品。

 

だから同じ登場人物が出てくるけれど、微妙に性格がちがう。そして前回で死んだ人間が今回は生きていたり、親子が逆転していたりというパラレルワールドのような世界になっている。

 

この作品の舞台はオハイオのとある架空の街で起きた出来事。悪魔がある通りの一角だけを別世界に追いやり、そこに住む住人を次々と殺していく。その悪魔はタックと呼ばれ、これも『デスペレーション』と同じ。

 

ただ前作はタックとデヴィッドという神がかりになった11歳の少年による、悪魔と神の戦いだった。つまり『善』の勝利が語られていた。

 

でも今回の作品に『善』の存在は登場しない。究極の『悪』と『悪』がぶつかりあうような物語で、二つの小説を読み通すことで、『善と悪』の物語が完結するんだと感じた。さすが、スティーブン・キング。

 

今回の作品も少年が関わってくる。それはセスという8歳の少年。セスは自閉症だったけれど、『悪』を受け入れる強烈なキャパを持っていた。それゆえタックはセスに取り憑いた。

 

タックはセスと同化することで、少年の意識にあるドラマやアニメのキャラを具現化させ、それによって街の住人を殺戮した。タックはセス以外の人間に取り憑くことはできない。セスもそのことをわかっていて、ある作戦を実行する。それはタックの弱点をついたものだった。

 

タックが苦手とするのは、人間の排泄行為。それだけはどうしても耐えがたく、セスがウンチをするときは身体から抜け出す。そこでタックを身体から追い出すべく、セスは叔母のオードリィに秘策を授ける。大量の下剤を自分の食料に混ぜるように仕向けた。

 

当然ながらセスは下痢になる。ウンチまみれになったセスに耐えきれず、タックは一時的に少年の身体から離れる。そのあとに起きたことは恐ろしい。セスは息子を殺されて正気をなくした母親の精神をあやつり、自分を銃で撃つように仕向けた。その結果、世話をしていた叔母のオードリィと共にセスは死んでしまう。

 

宿る場所がなくなったタックは、あわててセスを殺した女性に取り憑くけれど、セス以外の人間は耐えられない。その女性ごとタックは粉々になって砕け散ってしまうという陰惨なラストだった。

 

コメディのように思えるけれど、もちろんそんな雰囲気は少しもない。最初から最後まで、登場人物と悪魔との恐ろしい死闘が繰り広げられる。うれしいことに、『デスペレーション』で生き残ったシンシアとスティーブは今回も生き残った。

 

そして主人公である作家のマリンヴィルは、前回では自分を犠牲にしてタックをやっつけたけれど、今回は危機一髪でどうにか生き延びた。好きなキャラだけに、二度も死ななくてよかったwww

 

この二つの作品はまったく別の物語だけれど、ある意味セットでもある。だからもし読もうと思う人は、ボクと同じ順序で読むといいよ。ただし悪夢を見そうなほど怖いけれどね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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