お粗末な日本のITシステム
先日、図書館へ行って驚く光景を見た。入り口前の廊下に特設スペースが設けてあった。数人の神戸市職員らしき人が、パイプ椅子に座っている人を案内していた。特設会場の背後に貼り付けてある文字を見て思わず失笑してしまった。
新型コロナワクチンweb予約説明会、となっている。わざわざ人件費を使ってネットでの予約方法を説明しているらしい。この説明会に来ている時点で、ネットでの手続きは無理な人じゃないだろうか? 無駄なことをしているようにしか思えない。笑いつつも、日本のIT環境の遅れを痛感させられた。
今朝のニュースを見ていると、ワクチン新システムに不具合が発生しているらしい。コロナワクチンの接種券には18桁の数字が記載されているそう。その数字には個人の住民基本台帳等から住所や氏名生年月日、そしてマイナンバーまで紐付けされている。
接種会場でその番号を読み込むことで、接種者の状況を一元管理しようというもの。ところが接種会場でタブレットにその数字が読み込めないトラブルが多発しているらしい。システムの運用も自治体任せなので、まだまともに機能していない自治体もあるそう。
接触アプリのcocoaは不具合続きだったし、保健所が感染者をインターネット上のデータベースに登録するシステムも機能不全を起こしているとのこと。日本という国は、いつからこんなIT後進国になってしまったんだろう?
せめてワクチン接種の予約だけでもスムーズに進めたい。ところが全国でサーバーがダウンしたり、電話がパンクしている。このままでは大変だということで、ある企業が名乗りをあげた。
チケット販売大手のぴあが、新型コロナウイルスの予約システムを自治体に提供することを発表した。そうそう、みんな『ぴあ』を忘れてるやん!
2019年にエド・シーランのライブに行くとき、ボクはぴあを利用した。予約を受付て、多数の場合は抽選結果がメールで送信される。そして購入希望者にはコンビニ等でチケットを受け取ることができる。その過程の管理状況も完璧で、チケットを手にするまで不満も不安もなかった。
ぴあは年間で7000万枚のチケット販売を行なっている。つまりワクチン接種の予約を受けて抽選を行い、当選者を振り分けるのはお手のものだということ。この記事を目にしたとき、なぜ誰も気がつかなかったんだろうと思った。
政府や自治体は、もっと民間企業に目を向けるべき。どんな企業にも得意分野があるんだから、新しいシステムを構築するよりも、そうした企業に協力を依頼するほうが早くて確実。つまらない規制や制約を取っ払って、いまのような非常時には柔軟に対応するべきだと思う。
『餅は餅屋』という言葉を忘れちゃいけないよね。
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