大麻は万能薬じゃない
人間はストレスに対処するため、逃避という行為に走ることが多い。逃げるのは悪いことじゃない。ボクは子供の頃からサボり名人で、自分の限界を超えてまで不快な環境で耐えないようにしてきた。転職が多いのは背景にそうした心理構造があると思う。
ただボクの場合幸いだったのは、逃げる方法に『物』を使ってこなかったこと。自分の外に逃避対象を求めるのではなく、内面からの発露によって逃避行動を起こしてきたように思う。心理的な葛藤を抱えた結果として、学校をサボったり、仕事を休んだり、最終的には転職という方法を選択してきた。
でも逃避行為に関して『物』に依存してしまう人は、その副作用に苦しむことになりがち。よくあるのはアルコール。お酒をストレス解消の決め手にしてしまうと、いずれは依存症という最悪の結果が待っている。実際にそうした人を見てきたから、アルコールの怖さは実感している。
最悪なのはアルコールだけでなく薬物に手を出すこと。ストレスからの逃避に依存度の強い覚醒剤を使ってしまうと、元の世界へ戻るのに多大な苦労を強いられる。それでも薬物依存がなくらないのは、現代社会がストレスに満ちているからだろう。
そこで注目されているのが大麻。外国に続いて日本でも大麻解禁を求める声は強い。医療用だけでなく、嗜好用としての大麻解禁が海外では進んでいる。その理由として覚醒剤のような高い依存性がないということ。まるで万能薬のように信奉されている大麻だけれど、実態はそうでもないらしい。
「不安解消?創造性を高める?」心理学者が覆す大麻にまつわる3つの神話
大麻が歓迎されている理由として、先ほど書いた依存性が低いというものがある。そうした大麻の性質に関して、リンク先の記事の著者は3つの神話にまとめている。そしてその神話の実態について記している。概要を抜き出してみよう。
神話その1:マリファナはメンタルヘルスに悪影響がない
大麻には種類があって、成分構成によって効果が強いものと弱いものがあるそう。効果の強い大麻を常用していると、弱い大麻に比べて中毒性が4倍も高くなることが最新の研究で実証されている。強力な大麻を使用している人には幻覚等の症状が出て、うつ症状や不安が悪化しているとのこと。ここ10年で治療を受けている人が激増しているらしい。
神話その2:マリファナは不安を解消する
大麻の成分にはTHCとCBDというものがあるそう。CBDには不安を和らげる効果があって、お酒のような気分になれる。ところがハイになりたい嗜好用の大麻はTHCの比率が高い。THCは逆に不安を高めることで知られていて、ハイになっても不安が解消されるどころか悪化する可能性があるそう。
神話その3:マリファナは創造性を高める
これはビートルズを含めた60年代、70年代のロックミュージシャンたちが口にしていたこと。この神話は現在でも引き継がれているらしい。大麻を摂取すると陽気になる場合が多い。それで創造性が高まったような気持ちになる。
ところが結果として、大麻が創造性を高めているかどうかの客観的証拠は見つかっていないそう。本人の思い込みが強くなる程度かもしれない。だからお酒と同じで、ボクはシラフでいる方が創造性に関しては効果があるような気がする。
とまぁ大麻の実態はこのようなものらしい。医療用としての鎮痛効果は大切だと思う。だから日本でも医療用大麻が解禁されることは望ましい。だけど嗜好用に関しては微妙。アルコールと同じく自制心のない人がストレスからの逃避に使ってしまうと、深刻な問題を誘発するかもしれない。大麻は万能薬じゃないことを自覚しておくべきだと思った。
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