都会では友達になれない存在
今年の夏、毎日楽しみにしていたことがあった。それは近所の森から巣立ちしたカラスのヒナたち。バルコニーから見えるマンションの屋根に集合して、いつも兄弟でじゃれてケンカしていた。電線に乗ってもフラフラしていて安定しない。
独特の低音の声で鳴く。それがまた可愛くて、甘えっ子の声が聞こえてきたら妻と二人でよく観察していた。ボクがずっと願っているのは、カラスと友達になること。いくつかカラス関連の書籍を読んで分かったのは、彼らの知能の高さは尋常ではないということ。おそらく犬や猫よりはずっと賢い。
実際にそんな知能の高いカラスと友達になれるのだろうか? 人間のことをアホだと思っているのでは? いや事実アホなんだけれどwww
そんな賢いカラスでも、人間が誠意を見せれば友達になれるらしい。
ワシントン大学の生物学教授が、カラスと仲良くなる方法を公開した。やはり基本は餌付け。カラスは雑食なのでなんでも食べる。屍肉も食べられる胃を持っているので、腐敗したものでも問題ない。でもこの教授によると、殻付きピーナッツが大好きとのこと。
根気よく定期的に餌をあげていると、やがて認識してくれるようになる。顔だけでなく、歩く足取り、使っている車のエンジン音でも判別してくれたそう。新しいジャケットを着てフードをかぶっても大丈夫。さらにコロナ禍で1年以上も会わなかったのに、それでもきっちりと認識してくれたらしい。これは完全に友達と言っていいよね。
この方法を試した人があって、半年ほどかけてカラスと友達になった。今では手から餌をもらうし、食べた後もその人の近くで座っているようになったそう。なんともうらやましい限り。さらにこんな事例もある。
カラスにやさしくしたところ、ペットのニワトリに危機を知らせてくれる用心棒となった
ある田舎に暮らしている女性は、ニワトリをペットとして飼っている。近くにカラスがよくいて、時おりオヤツをあげていた。やがてその女性を信頼するようになり、いつも近くにいてくれた。
その地域にはよく鷹が現れる。狙っているのはニワトリ。ところが鷹が近づいてくると、カラスが警告を発してくれるようになったそう。最初は偶然かと思ったけれど、実際に現場を目撃してカラスがニワトリを守ってくれているのを確信したとのこと。
鷹が近づくと、ニワトリに近くにやってきて警告する。ニワトリはその声を聞いてすぐにケージに隠れる。そして1時間ほどのあいだ、鷹が諦めるまでニワトリの近くで見守ってくれた。カラスにとって鷹は天敵でもある。自分だって怖いのに、友達の女性が飼っているニワトリを守ってくれようとしている。これまた羨ましい関係。
ボクも本当は同じようにカラスと友達になりたい。だけど都会では絶対に無理。もし友達になれたとしても、近所の人に迷惑をかけてしまうかもしれない。マンションのバルコニーにカラスが遊びにきてくれたら最高。だけど野性の鳥に餌付けするのは完全にマナー違反。
一戸建てだとしても、都会だと近所迷惑になるのは確実。さらにカラスの生態を知らなくて、イメージだけで毛嫌いしている人も多い。だからカラスと友達になりたいなら、地方へ引越しするしかない。やっぱりボクには無理だなぁ。
もしも郊外へ引っ越せば、友達になるのはカラスどころじゃないかも。他の野鳥のために巣箱を用意するだろうし、イノシシにも餌付けしたくなる。やめておいたほうがよさそうだなぁwww
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