やる気の起動はマインドフルネス
目標に向かって何かを成そうとするとき、誰もが試行錯誤しながら自分なりの方法を見つけていく。そしてスキルアップしていくと同時に、見つけた方法をアップグレードしていく。例えば「やる気」ひとつにしても、人によって起動方法が違ってくるだろうと思う。
ボクの場合はシンプル。待っていてもやる気なんて永遠にやってこない。これは経験としてそう確信している。それゆえとにかく無理矢理でも始める。すると不思議なことに気がつくと夢中になっている。やる気は待つよりも、動くことで自然に出てくるものだとわかっているから。
ただこうした直感的な方法であっても、理論の裏付けがあるとなおいい。自分に適していると思う方法が、人間の生理学的に見てどういう仕組みで起きているのかを知ることは意義がある。さらに仕組みを理解することによって、より効率的な方法にヴァージョンアップすることができる。
そんな脳の仕組みについてわかりやすく書かれた本を読んだ。
2022年 読書#116
『BRAIN DRIVEN(ブレインドリブン)パフォーマンスが高まる脳の状態とは』青砥端人 著という本。
図解付きのとてもわかりやい著作で、脳の働きやその影響について勉強になる内容だった。でも専門知識がなくても読めるように構成されている。著者は冒頭でこのように書いておられる。
「脳の中で何が起こっているのか(WHAT)」を解き明かし
「なぜそうなるのか(WHY)」について知識を深めれば、
「パフォーマンスを高める方法(HOW)」を自ら創り出せる。
確かにこの通りの内容で、自分の実践していることの裏付けが得られたり、さらにその方法を効率的にするために考えるべきことを学べると思う。大きく3つのテーマに分かれて解説されている。
・モチベーション
・ストレス
・クリエイティビティ
この3つの仕組みを理解することで、やる気を起動させ、困難を味方につけ、創造力を発揮する助けになる。具体的な内容は本書を読んでもらえばと思う。全体を通じて感じたことだけをまとめておこう。
この3つのどの項目であっても、必要なのはマインドフルネスというもの。これが全ての基本だと感じた。
マインドフルネスというのは、今起きている経験に注意を向ける心理的な過程。人間というのは起きている物事を意外に知覚していない。仕事の予定を考えながら歯磨きをしていたり、昨日の失敗を後悔しながらお風呂に入ったりしている。つまり『今そこ』にいないということ。
マインドフルネスは瞑想の境地と同じ。そういう意味ではボクには馴染み深い。この本はそうした精神世界について書かれたものではない。だけど脳の働きを効率的にするためには、マインドフルネスが大切だと記されていた。
脳で起きていることによって、感情や肉体に変化が出る。それを当事者として感じるだけでなく、一歩引いて客観的に見つめるということ。いまモチベーションが働いている、いまストレスを感じているということを、もう一人の自分を見るような感覚で『目撃』することが大切とのこと。
脳が放出する物質に翻弄されてしまうと、その性質が持っている特徴を無駄にしてしまう。マインドフルネスで自分を客観視することで、その動きをより深く理解して、かつ効率よく活用することができるそう。
マインドフルネスというのは、他の面でも効果がある。怒り等のネガティブな感情に流されそうになったとき、自分を客観視することで感情の大波に飲まれて難破することを防げる。とても難しいことだけれど、練習する価値があることだと思う。
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