バッタもん映画でも許せる俳優
ボクがロックを好きなのは、世間の常識や同調圧力に対する反骨精神に共鳴しているから。そんな精神から表出する怒りや不満を例えるとすれば、河岸を破壊する土石流のイメージが近い。ボクは激しいロックを聴きながら、自分の内部に巣食う毒を吐き出しているような気がする。
その一方で、土石流ではなく澄んだ小川のせせらぎのような音楽にも惹かれる。ロック的なイメージを醸しつつ、清流のような美しい音楽を聴かせてくれるグループがいる。LANYというバンドで、定期的に彼らの曲が聴きたくなる。
そのLANYが今年の9月に5枚目のアルバムをリリースする予定。そして昨日、そのアルバムからシングル曲が公開された。『Love At First Fight』というタイトルで、彼ららしい美しい曲だった。ちなみにLANYという名前は、ロスとニューヨークから取っているらしい。シティミュージックを象徴しているんだろう。
今年の8月に大阪でライブがあるんだけれどなぁ。まだまだボクとしてはライブに参加する気持ちになれない。コロナが終わったわけじゃないからね。だからミュージックビデオを見て楽しむとしよう。
さて、いわゆるバッタもんという雰囲気の映画を観た。バッタもんはもしかして関西弁? 一般的には正規のルートではない商品のこと。要するに偽物を指すときの言葉で、どこかの国が得意しているもの。映画的に言えば、二番煎じという意味の方が近いかも。
2023年 映画#83
『ザ・ミスフィッツ』(原題:The Misfits)という2021年のアメリカ映画。監督は『ダイハード2』や『ロング・キッス・グットナイト』で知られているレニー・ハーリン。そして主演はピアース・ブロスナン。これだけで期待してしまう作品。
ところが内容的には『オーシャンズ11』のバッタもんという内容だった。ピアース・ブロスナンは脱獄が得意なピアスという泥棒を演じている。悪役となるのはティム・ロス演じるシュルツという大金持ち。シュルツは私設刑務所をいくつか持っている。
シュルツは犯罪者と懇意になり、最終的に中東のテロリスト集団と手を組む。テロの資金が黄金に換えられて、アブダビの刑務所に隠してあった。ピアスたちの目的はその黄金を奪うこと。ラストでは黄金をユニセフに寄付しているので、テロ阻止を目的とした『義賊』という設定になっている。
ただピアース・ブロスナンとティム・ロス以外は無名の俳優さんたちばかり。さらに黄金強奪の過程が『オーシャンズ』のパターンと同質の展開なので、どうしても二番煎じ感が否めない。だからイマイチだと思う人が多いかも。
でもボクはピアース・ブロスナンの大ファン。だからバッタもんでも気にならない。むしろ人数が6人に絞られていて、それぞれの役割がはっきりしていた。そして父親としてのピアスの役柄もいい雰囲気だったと思う。コメディ要素が強くて、とても楽しめる作品だった。人も死なないしね。
この映画の撮影時で67歳くらいだけれど、ピアース・ブロスナンはまだまだアクション作品でも大丈夫。イケメンは老人になってもやっぱりイケメンだわ。
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