SOLA TODAY Vol.597
スマホやパソコンを使っていて、突然フリーズしたり、再起動することがある。たいていはソフトのバグか、ハードの故障だろう。
だけどハードもソフトも問題がないのに、電子機器が不調をきたすことがある。
それはもしかしたら、宇宙からやってくる見えない脅威の影響かもしれない。
これは宇宙人でも、ウィルスでもない。その脅威とは宇宙線。
宇宙から降り注ぐ放射線の一種で、宇宙から直接来るものだけでなく、地球の大気にぶつかって発生するものも含まれているらしい。これらの粒子は中性子やミューオンと呼ばれているもので、とてつもなく小さい。
ビルどころか、人間の身体でも通過してしまうが、普通は小さすぎて大きな影響はない。だけどそれが半導体に当たると、まれに悪影響を及ぼすとのこと。半導体に中性子が当たることで、誤作動を起こすことがある。これをソフトエラーと呼ぶらしい。
どれくらいの頻度でソフトエラーが起きるのかを、日立製作所研究所が調査した結果が記事で紹介されている。それによると、1000個の半導体に記録されたエラーは、1ヶ月で11回ほどだった。
なんや、大したことないやん。そう思うのは早計。この確率をスマホに換算すると、毎日30万台がエラーを起こしている計算になる。この数字をみると、他人事とは思えない。
それでもスマホ程度なら、再起動すれば済むだろう。だけど半導体が誤作動を起こすことで、甚大な被害が出る場合もある。2008年にオーストラリアの航空機が急降下して100人以上がケガをする事故があった。その原因を調査したところによると、宇宙からの中性子によるソフトエラーだったとのこと。
そう考えると、半導体を使っていないものを見つけるほうが難しい。病院の機器なんて、半導体だらけだよね。もし手術中にソフトエラーが起きたり、生命維持投資に誤作動が起きたら大変なことになる。
もっと怖いのは兵器だろう。機械的なエラーに対していくつもの防御がなされていると思うけれど、やはり気になってしまう。以前から宇宙線に対する警告は有識者から出ていたが、いかんせん防ぎようがない。
建物を防御するにも限界があるし、個人がスマホやパソコンを持ち歩く時代では対処するのは不可能。宇宙線に影響を受けない半導体を発明するしかないのかもしれないね。
まぁ、結論としては、今のところはどうしようもないということ。空から降ってくるものだからね。大きな被害が出ないように祈るしかないよなぁw
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