SOLA YODAY Vol.851
受験生にとってこの時期は憂鬱な日が続く。試験当日にそなえて勉強するだけじゃなく、インフルエンザ等にかからないよう神経をとがらせなくてはいけない。
せっかく勉強しても当日に体調を壊せば、すべてが水の泡になって消えてしまう。一発勝負の怖さが常につきまとうだろう。
だけど視点を変えれば、それがどれだけラッキーなことなのかわかる。
知ってた?ドイツは受験も塾もないけれど、なかなか大学に行けません
いや〜、全然知らんかったわ!
ドイツはボクの大好きな国。昨日の夜も、風呂上がりにドイツの旅番組を見ていたほど。そんなドイツの大学制度を知って、これはキツイなぁと驚いた。
基本的に欧州の大学には受験というものがない。その程度のことは知っていた。大学入学を申請することで、許可をえて大学に通う。ある種の選別があることは想像できるけれど、日本のような受験制度は存在しないと思い込んでいた。
ところがこれは完全なる誤解。方法がちがうだけで、考えようによっては日本より厳しい選考基準が設けられている。
なぜなら、将来の決断を小学校のときに決めなくてはいけないから。
ドイツでは小学校を卒業するときに、進路を決めるそう。それは3つに分かれている。記事から抜粋してみよう。
・基幹学校:中学校卒業後、職業教育を受ける。イメージ的には中卒→就職。
・実科学校:中学校卒業後、上級の職業教育を受ける。イメージ的には工業高校や産業高校といった専門高校に進学→就職
・ギムナジウム:中高一貫高。卒業後大学に入学できる。
この段階で運命が分かれてしまう。基本的にギムナジウムを選択しないと、大学の入学資格を得ることができない。最低でも実科学校に入って、厳しい試験をパスすることが必要になる。
これはキツイよねぇ。ただ進路を決めるだけじゃない。ドイツは小学校でも留年があるらしい。だからギムナジウムへ進学しても、卒業するのが大変らしい。学校に通っている期間は必死で勉強しなくてはいけない。
教師の評価が大学入学資格にも影響するので、授業中に居眠りなんかしていたらアウト。そこで大学への道は閉ざされてしまう。ドイツの小学生や中学生は、普段の授業から本気度がちがうらしい。
そう思うと日本の受験制度はラッキーに思えてくる。とりあえず高卒の資格が取れたら大学を受験できる。内申の影響も多少はあるけれど、大学受験に関しては一発逆転が可能。ボクなんか、完全にそのパターンだったからね。
関西外国語大学に合格した(中退したけれど)のは、受験科目が大好きな国語と英語だけだったから。物理や数学はいつも赤点スレスレだったので、一発逆転を狙うにはこの大学しかなかった。もしボクがドイツ人だったら、どこの大学にも行けなかっただろうなぁ。
客観的に見ると、大学の入試制度って面白いよなぁ。昨今では大学の価値そのものが問われている時代。大学なんて必要ないという人も多い。でもいまだに学歴を重視する部分も確実に残っている。
どちらにしても、ボクの個人的な好みなら日本の入試制度のほうがいい。一発逆転が可能な人生のほうが、絶対に面白いと思うんだよなぁ。
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