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高羽そらさんインタビュー

SOLA TODAY Vol.976

もしあなたに未来が予知できるとしよう。横断歩道で信号を待っていると、前に若い男性が立っていた。ふと未来をのぞき込むと、その男性が近い将来に通り魔事件を起こして大勢の人を殺すのが見えた。さて、あなたはどうする?

 

このテーマを扱った小説を過去に読んだことがある。主人公は特殊な能力を持っていて、未来に凶悪犯罪を犯す人間を殺していくというもの。まだ罪を犯していない人間を殺すだけに、主人公は強烈な葛藤を抱えていた。

 

これはフィクションだけれど、現実に起きたら自分がどうするのか想像がつかない。大勢の命を救うために自分が殺人を犯す覚悟ができるかと問われたら、答えに窮してしまう。それは加害者も被害者も自分と関わりのない第三者だからだと思う。

 

だけどもしどちらかに身内がいたとしたら? そんなことが現実の事件として起きている。

 

橋下徹「息子殺しを僕は責められない」

 

元大阪知事の橋下徹さんが書かれた記事。元農林水産事務次官の熊沢氏が息子を殺した事件について触れた内容。とても深刻なものだけれど、ボクは橋下さんの意見に同意する。

 

熊沢氏が息子を殺したのは、川崎での通り魔事件が影響しているとのこと。息子さんは統合失調症を患っておられて、家庭内暴力もかなりヤバい状況だった。そのうえ同じような事件を起こすことをほのめかしていたそう。それで熊沢氏は凶行に及んでいる。

 

橋下さんが息子殺しを責められないと言っている論拠は、『他人を犠牲にしてはならない』という信条。川崎での事件が起きたとき、犯人に対して「死にたいなら一人で死ね」という言葉がネットで飛び交った。

 

それに対して一部の人から、同じ状況に陥っている人を刺激することになるから、そういう発言は好ましくないという反論があった。ボクもその発言に一理はあると認めるけれど、橋下さんの意見と同じく、死にたい人が他人を犠牲にしてはいけないと強く思う。

 

わかりやすい例だと飛び降り自殺がある。上空から人が落ちてきて巻き添えで亡くなった人がいる。遺族の立場になったら、どう考えても自殺した人を許せないと思う。「死にたいなら一人で死ね」という言葉が出て当然だろう。

 

逮捕された熊沢氏の心境を想像すると、他人を犠牲にしたくないという思いが強かったんだと思う。もちろん自分たちにも危険が迫っていた。自分や妻が息子に殺されるかもしれない。動機としてはそのあたりもあるだろう。

 

まだ犯罪を犯していない息子が、心を病んでいて何かをやらかすかもしれないと家族が怯えるのは地獄でしかない。そんな恐怖に対して行政も警察も、そして病院も真剣に向き合ってくれない。未来への不安と恐怖に対して、家族が耐え忍んでいくしかないのが現実の状況。

 

どうすればよかったかなんて答えは見えない。だけど橋下さんが熊沢氏を責められないと発言されている気持ちは理解できる。もし自分だったらどうしただろう? そのことを自分なりに考えてみるべき事件だと強く感じた。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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