自動車の脱炭素への道は遠い
今朝のニュースによると、日本政府は脱炭素社会への実現に向けて2030年までの目標を設定するとのこと。2050年には実質的に温暖化ガス排出をゼロにすることが世界的な同意であり、それに先立って欧米が定めている2030年までの目標に追随するため。今年6月に開催されるG7で発表するそう。
地球環境を考えると、たしかに無視できない問題。あらゆる業種がそれぞれに目標を課せられることになるだろうけれど、かなり厄介そうなのが自動車業界。現状のままだと、脱炭素社会の実現を目指す各国にとって足を引っ張る存在になりかねない。
EVはもうすぐ時代遅れに? 「エンジンのまま完全カーボンフリー」を実現するあるシナリオ
世界中の自動車メーカーが、ガソリン車からの撤退を表明している。というより行政が規制する動きを見せているので、致し方ないというのが本音だと思う。さらにテスラ等の新進メーカーがEV車市場に打って出たことで、新たな競争相手に対抗する必要があるから。
だけどリンク先の記事によると、EV車は脱炭素社会を妨げているらしい。たしかに排気ガスは出さない。走っていることに関していいえばクリーンに思える。ただEV車がガソリン車にとって代わるためには、まだ多くの問題が残されている。
まずは価格が高い。そして航続距離が短い。ガソリン車のように満タンにして600kmも走れない。せいぜい200km程度なので、実用レベルとしての問題が解決されていない。これは新しいバッテリーの開発を待つしかない。
さらに充電するための電力は、いまの日本においては火力発電に頼るしかない。つまり石油を燃やすしかなく、脱炭素とはほど遠い状況にある。そのうえバッテリーの製造においても二酸化炭素を大量に排出する。つまり現状のEV車で脱炭素社会を目指すのは難しいということ。
そこで注目されているのが燃料電池。いまのところ水素を使ったものが実用化されつつある。だけど流通している水素は主として化石燃料から作られていて、そのうえ高価。だから脱炭素という観点にそぐわない。
もっとも期待できるのは、アンモニアから水素を生成することらしい。これなら製造過程で二酸化炭素が出ない。そうなると単なる充電式のEV車は、いずれ市場から消えてしまうかもしれないね。自動車メーカーも、燃料電池によってモーターを駆動させる自動車への転換が進む可能性が高い。
そうなれば車を使わないとき、自動車を家庭のバッテリーとして利用できる。これは以前から検討されていたこと。災害時における非常電源にもなる。とにかく二酸化炭素を排出しない発電方法を確立していかないと、脱炭素社会は実現しないということだろう。
ボクたちができることは、できるだけ自動車を所有しないことだと思う。カーシェア等を活用することで、道路を走る自動車の絶対数を減らすべき。そこそこの都会なら、自動車なしでも十分に生活できる。あらゆる面から生活を変えていかないと、脱炭素社会の実現は難しいだろうなぁ。
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