食い物にされる理由がある
ボクが20代の終わりに学習塾の飛び込み営業をしていたとき、当時の上司にあらゆるノウハウを教えてもらった。その場で即決させる、押印させるということに関するもの。いま考えるとかなりヤバいwww
その基本は『善意の恐怖』という手法。善意に見せかけて相手の恐怖をあおることで、これしかないという決断を迫る。ただ効果的なように見えて、通用しない人にはまったく無理。それゆえターゲットを見つける方法も教わった。
いくつかあるうちで印象に残っているのは、玄関先に貼られている『セールスお断り』という文言。普通の感覚だと、断れられる可能性が高いと思って飛び込み営業はかけない。ところが上司の意見はまったくちがう。この文言を探してアタックするようにとのこと。
なぜなら不本意な契約を過去にやっているという証明だから。つまり即決しやすい、押印しやすい人だとうこと。『セールスお断り』という玄関のシールは、嫌ないいかたをすれば『カモリスト』だと明言しているようなもの。断る自信がある人は、そんなもの玄関先に貼らない。
ボクの場合は学習塾の営業なので、詐欺をやっていたわけじゃない。だけどノウハウとしてこれは飛び込み営業にも、そして詐欺師にも共通する要因。要するに食い物にされるには、それなりの理由があるということ。もちろん悪いのは詐欺師だけれど、そのことを自覚しないと同じ犯罪に何度も遭ってしまう。
いまでこそ訪問販売は難しくなったけれど、新手の詐欺や犯罪が起きている。その背景にある真理は同じだと感じる記事を読んだ。
ランサムウェア攻撃を受けて身代金を支払った組織の8割が2度目の攻撃を受けている
ランサムウェアというのは、企業のパソコンシステムにウイルスを仕込む犯罪。パスワードがないとデータが見られない状態に追い込んで、パスワードの提供と引き換えに多額の資金を要求するという犯罪。会社のデータが人質にされてしまう。
リンク先の記事によると、ランサムウェア攻撃を受けて身代金を払った組織の8割が、なんと2度目の攻撃を受けているらしい。ひどい目に遭っているのに、また同じ手に引っかかってしまう。それも犯罪者まで同じという事例が多発している。
一度でも食い物にされた企業は「カモリスト」にあがっているということ。なぜ被害にあったかという理由を熟考して、根本的な対策を取らない限り同じことになってしまう。これだって悪いのは犯罪者だけれど、狙われる理由があるのは事実。
これは個人でも同じ。ネット社会になったことで、油断すれば食い物にされてしまう可能性がある。IT技術が進歩しても、人間の心理はさほど進化していないということだろう。
いま世間にはびこっている反ワクチン派のデマも、同じような性質を持っている。特にデマを飛ばしている人、そのデマを拡散している人を観察していると、スピリチュアルに関わっている人がかなり多い。残念だけれどこれは事実。
その根底に存在するものがわかるだろうか? それは最初に書いた『善意の恐怖』というもの。
新興宗教やスピリチュアルで稼ごうと狙っている組織や人は、人間の弱みにつけ込んでくる。団体名は書けないけれど、ボクの祖母がそうだった。祖父と離婚したことで、ある宗教団体に勧誘された。そのことで苦労した晩年の祖母を見てきたから、ボクはいまだに宗教組織が好きになれない。
食い物にされるには理由がある。企業も人もそのことを自覚しておかないと、負のループから抜けられなくなってしまうと思う。
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