今日の言葉 4月12日
『所有している限り、私たちが愛することは決してない』
私たちは愛を感覚として経験します。違いますか? 愛していると言う時、私たちは嫉妬を覚えますし、恐怖や不安も覚えます。あなたが誰かを愛していると言う時、そういう諸々、すなわち妬みとか、独占したい、所有したい、支配したいという願望、失うことへの恐怖などが起こります。こういったことを全てひっくるめて、私たちは愛と呼んでいます。
嫉妬、羨望、所有欲、支配といったものに終止符が打たれた時にのみ、私たちは愛というあの状態を味わうのです。ですから所有している限り、私たちが愛することは決してありません。愛する人に思いを馳せるのは、その人が行ってしまった時、遠くに離れている時、あなたを離れてしまった時です。と言うことは、気持ちが動揺している時、苦しんでいる時に、自分が愛していると思うその人物を恋しく思うわけです。
動揺すると、思考がやってきます。そして自分が愛と呼ぶ代物に思いを馳せている限り、動揺は治まりません。愛は精神に属するものでは絶対にありません。精神に属するものとは、すなわち嫉妬、羨望、野心、ひとかどの人物になりたいという願望、成功したいという願望のことです。こういった精神の域内にある諸々があなたの心を埋め尽くしているのです。その上であなたは愛している、と言う。しかし自身の内部にこのようなありとあらゆる混乱因子を抱えていたら、どうやって愛することができるでしょう?
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜