今日の言葉 7月25日
『悲しみから逃れる』
私たちの大半はさまざまな形の悲しみを背負っています。関係における悲しみ、誰かを亡くす悲しみ、自分の持てる能力を充分に発揮できず、無に帰してしまう悲しみを背負っています。成功しよう、何ものかになろうと試みて、大失敗に遭うと、悲しくなります。そして病、失明、性的不能、無気力など、肉体面における様々な悲しみの問題があります。
いたるところに、悲しみと呼ばれるこの途方もない代物が、すぐそこで待ち構えている死と共に存在しているのです。しかし悲しみにどうやって直面するか、私たちは知りません。そこで悲しみを崇拝したり、それに理由を付けたり、それから逃げようとしたりするのです。
感情に流されず、感傷的にならずに、発せられる言葉に耳を傾ける過程において、真に悲しみを理解することができ、悲しみがすっかりなくなってしまうなら、それは素晴らしいことでしょう。なぜならそうすると、自己欺瞞も思い違いも不安も、恐怖も存在しなくなり、脳が明晰に、鋭敏に、論理的に機能できるからです。そしてその時、人はおそらく愛の何たるかを知るのです。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜