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高羽そらさんインタビュー

ガストンとの対話2 Vol.84

ガストンさん、国土交通省が一歩踏み込んだ法律の改正を断行しました。乗用車やバス、トラックに備わる全てのミラーをカメラとモニターで代用することを正式に認めました。2016年6月には全くミラーのない『ミラーレス車』が公道を走ることになります。素晴らしい決断だと思います。

 

「ほう、興味深い改正だな。詳細な規定はあるのか?」

 

えぇ、そのようです。大切な要件は「映像がミラーと同じ範囲や画質」であることです。ですから従来の車と同じように、ドアミラーやルームミラーと同じ位置にモニターを設置したり、夜間でも肉眼と同程度に見えるモニターの明るさやコントラストが規定されています。

 

「なるほど。運転手にとっては普段と変わりないわけだ」

 

運転に関しては同じですね。ただ従来の車では死角になっていた部分をカメラが捉えてくれます。ミラーと肉眼では全く知覚することのできなかった範囲についても、運転手は把握することができます。大型トラックやバス等では、人身事故防止に大きく貢献するでしょう。

 

「だがこうした変化には抵抗がつきものだ。変わることを怖れるのは人間の本能だからな。反対意見も出ているのではないか?」

 

それはあるでしょう。最も多いのが故障したらどうする、という意見だと思います。客観的に見れば安全度が高まり事故が減ることは理解できる。出っ張ったミラーがないだけでも、車の接触事故が減りそうです。車の死角で遊んでいた孫をひいてしまった、という悲劇も減るでしょう。ただ変化を怖れる人はそうしたメリットを無視してデメリットに注目します。かといって、現状のままでいることのデメリットには目が行かない。「今のままでええやん」という結論になりやすいのですね。

 

「機械は故障するが人間の知覚力は故障しない、という根拠のない思い込みだな。アクセルとブレーキの踏み間違えなど、自分は絶対あり得ないと思っているのだろう」

 

アハハ、私もそう思っている一人ですけれどね。

 

「もちろんどのような変化であっても、無条件に受け入れるべきだとは言っていない。頭を柔軟にするべきだ、と言っているのだ。人間の知覚で補えない部分を、機械を使うことによってカヴァーできる。一人でも幸せに暮らせる人が増えるために、発展してきたのが科学だ。今回のように国家が積極的に規制を緩和していかないと、イノベーションが広がることはない」

 

今回の改正は、未来の自動運転車に対する布石でしょう。今や世界中の先進国が自動運転車の導入を真剣に検討しています。現実問題として。国家間の競争になっているのが現状です。少しでも早く新しいシステムを国家の事業の柱にしたい、という表れですね。日本の国土交通省もそうしたことを感じているのでしょう。

 

「その競争意識は必要かもしれないな。より完璧なシステムを構築しなければ、世界中に受け入れてもらえない。あの国の自動運転システムに欠陥がある、と一度でも判断されたら、単なる消費国に成り下がってしまうわけだからな。だからこそ安全面に関して真剣に取り組まざるを得ない」

 

現代のセンサーの進化は驚異的ですからね。先ほどのミラーの話と同じで、人間の知覚の限界を十分に補うことができます。あとは一般的にどれだけ受け入れてもらえるかでしょう。

 

「人類の歴史は、変化とその抵抗の繰り返しだ。日本でも幕末に写真が普及し始めた頃、『魂を抜かれる』と真剣に怖がった人たちがいたはずだ。自動車が走り出した頃も、一般の人々はネガティブなイメージを持ったであろう。現代でも同じことが起きているだけだ」

 

もう何十年も先の未来になれば、手動で車を運転している人が肩身の狭い思いをすることになると思います。自動車保険の料率が高くなったり、運転技能に対して厳しいチェックを受けることになるでしょう。何となくですが、現代社会の喫煙者をイメージしてしまいます。50年ほど前ならどこでもタバコを吸うことができました。でも今では喫煙場所を指定されて、隔離されていますものね。

 

「そうしたものが変化だな。現代の常識が、未来の非常識になる。だから常に人間は変化に対する恐怖を抱えることになる」

 

究極的には、いつの時代にも人間は心のどこかで『変化』を怖れているのですね。

 

「そうだ。ここで何度も対話したが、それこそが『自我』の持つ本能だ。自分であることは、現状を維持することだと信じている。人間の意識が変化して、『自我』が偽物だったと見破られることが怖いのだよ。だから必死になって現状にすがりつこうとする。変わらなくていい理由を見つけ出す。だがそうした人間は肝心なことを忘れている」

 

それは何ですか?

 

「この現実世界が『無常』だということだよ。現れては消えていくのが、この世界の存在の宿命だ。だから常に変化している。今日の自分が昨日と同じ自分だと考えているのは、単なる妄想だ。変化に逆らっても無駄だ。変化から逃げることはできない」

 

今日の話題のような技術的なことだけでなく精神的な部分でも、私たちは常に変化の波にさらされているわけですね。抵抗は苦痛を生みます。頭と意識を柔軟にして、次々とやってくる変化を楽しめる。そうした心のゆとりを持ちたいものですね。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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