[gtranslate]
高羽そらさんインタビュー

心を蝕む自分への嘘

本格的な春の陽気です。昨日の午前中は厚手の上着で外出しましたが、今日だったら必要なかったでしょう。三寒四温を実感する日々ですね。

でも明日の天気予報は雨。外を見ていると雨が降るとは思えないのですが、買い物に出る頃には傘が必要なのかなぁ。しかし降ったとしても、暖かい雨になりそうですね。

 

さて昨日今日とネットを賑わせているのは、ショーン・川上さんの経歴詐称問題。最近は見ることがありませんが、以前に「特ダネ!」を見ていた時にコメンテーターとして顔を見知っています。他にもいろいろな番組に出演されていたようですね。

 

今回の詐称がすべて事実だとすれば、ちょっとやばいレベルだと思います。不注意の範囲を超えていますからね。意図的だと思われても仕方ないでしょう。コメンテーターとしての能力に経歴が影響するとは思いません。でもそれが採用される基準となった場合、テレビ的にはまずいでしょう。番組を降板されるのも、致し方ないと思います。

 

きっとご本人にとっては、これまで辛い日々だったのじゃないかな? 新しいキャスターの仕事も決まっていたようですから、経歴が一人歩きしていきます。文春にスクープされて嫌な気分だったでしょうが、心のどこかでホッとされていたのではないかと推察します。だって自分に嘘をつくことは辛いことです。わかっていながら継続していると、普通の人間なら心を蝕んでいくでしょう。サイコパスの人なら気にもしないでしょうけれどね。

 

一昨日になりますが、そんなことをテーマにした小説を読了しました。

 

IMG_3490

 

 

『ペテロの葬列』宮部みゆき 著という本です。

 

現在、私が最も尊敬している作家です。多作の作家ですから、まだまだ全部を読了するには日数がかかります。それでも『ソロモンの偽証』を読んだ時には、完璧にノックアウトされてしまいました。推理小説だけでなく時代小説も書かれますし、ファンタジーもあります。多才という言葉が陳腐に感じるほどの作家です。

 

そしてこの本も衝撃的でした。最初はバスジャックから始まります。犯人は老人。ところがこの老人は、人質になった人間に慰謝料を払うことを約束します。目的を果たせたら各自に送金する、と言います。その目的は過去に罪を犯した人間を断罪し、自分が自殺することでした。そしてその目的を果たします。

 

その罪を犯した人間とは、マルチ商法詐欺のメンバーです。その手口はいわゆるネズミ講ですね。そしてこの老人は、その会社に詐欺の知恵を授けた指南役だったのです。多くの人に嘘をつき、他人を騙し続けてきたことに耐えられなくなります。それは自分に対しても嘘をつき続けていたからです。

 

このマルチ商法で恐ろしいのは、被疑者が加害者になることです。会員を集めることによって自分の収入が増えます。最初は被害者の一人なのですが、友人や会社の同僚を誘い、自分が加害者になってしまう。気がついた時には、お金も友人も失っていることになります。そして加害者としての罪に苦しむ人生が待っています。

 

私が30歳になる直前、税理士事務所を退職した直後のことです。プー太郎だった私に、スピ系で知り合った友人が勧めてきた仕事がありました。大阪の中之島にある中央公会堂まで行きました。カリスマ的な経営者が登場して、派手なショーのようなものを見せます。

 

自分の言う通りに会員になれば、大勢の人々が幸せになって、あなたも利益が得られる。スピ系の人がひっかかりやすいパターンです。その友人も完全に騙されているようでした。私は話を聞いた瞬間にマルチ商法だとわかりました。ちょっと算数の出来る人だったら、その結果が目に見えています。待っているのは破綻だけです。

 

この小説では豊田商事の事件も例として取り上げられていました。金の地金を顧客に契約させるけれども、紙切れだけ渡して実際に金は買わない。そして次々に集めた金で利息だけを払っていた会社です。会長がマスコミの目の前で刺殺される、という凄惨な事件も起きました。

 

この小説の老人は、そうした時代の生き残りだったようです。そして面白いのは、本当に人質へ慰謝料が送金されます。そこから物語の核心に入っていきます。お金を自由に使いたい人間と、そうでない人間が揉めるわけです。主人公に感情移入していると、ラストで切なくなる物語です。まだ新しい小説ですので、ネタバレはしません。興味がある方は是非読んでみてください。

 

ペテロというのは、キリストの十二使徒の一人です。イエスが磔になる直前に「お前は3度、私を知らないと言う」とイエスに予言されます。本人は否定しますが、イエスが囚われてから予言どおりに3度否定してしまうのです。自分に対して嘘をついたわけです。

 

ペテロはそのことを悔い、権力者に対して告白します。そしてイエスと同じように磔にされて殺されます。そのペテロをこの物語の象徴的な人物として、宮部さんはタイトルに入れられたのでしょう。バチカンにあるサン・ピエトロ大聖堂は、そのペテロの墓所を祀る聖堂です。

 

『夢で会える 体外離脱入門』は在庫僅少ですので、お求めの方はハート出版さんや書店に問い合わせてください。Amazonでの注文はこちらです。

 

『ゼロの物語』3部作は電子書籍のみの販売となりますので、こちらのホームページから販売サイトに行ってくださいね。

 

 『STORY OF ZERO   BOOK Ⅰ 〜ENCOUNTER〜』は全世界のAmazonで配信中です。日本のAmazonはこちらです。 

Diamondo Blog イチオシ芸能ニュースもっと見る

ピックアップブロガーもっと見る


インタビュー特集もっと見る

 

高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

プロフィール画像

高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

プロフィール詳細 »

読者になる

このブログの更新情報が届きます。

高羽そら|たかはそら(作家、小説家)カレンダー

2016年3月
« 2月   4月 »
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

高羽そら|たかはそら(作家、小説家)アーカイブス

高羽そら|たかはそら(作家、小説家)QRコード

ブログモバイル版

高羽そら|たかはそら(作家、小説家)オフィシャルブログ
http://www.diamondblog.jp
/official/sora_takaha/