高羽そら｜たかはそら（作家、小説家）オフィシャルブログ

スーパーのレジで並んでいてイラっとするのは、前の人が財布の小銭をぶちまけて数え出したとき。ある程度準備してくれていたらなんとも思わないだろうけれど、金額を提示されてからおもむろに財布を開ける人が多い。

こんなとき、日本も早くキャッシュレス化しないかな、と思ってしまう。だけどその道のりは遠そうだ。

世界で進むキャッシュレス化、遅れる日本　所有カード枚数は多いが使用せず

この記事によると、クレジットカードの所有枚数は多いけれど、日本人は世界的に見て圧倒的にキャッシュレス化が遅れているらしい。それはなんとなくわかる。

Amazon等を利用することが多くなったから、カード決済や口座引き落としは確実に増えている。でもボクの場合、普段の買い物はほぼ現金。常にカードを持っているし、電子マネーのカードもある。それ以外にICOCAや神戸市バスのプリペイドカードなんかも持っている。だけど買い物はやっぱり現金。

これって、きっと習慣化しているから抜けないのだろうね。自分自身の育ってきた環境が現金時代だったから、その感覚から離れられない。社会人になってすぐのころは、毎月の給料を現金でもらっていた世代だから。

海外ではキャッシュレス化が進んでいる。欧米は言うまでもないし、最近は中国でもキャッシュを使えない自販機がかなり増えているとのこと。いわゆる物乞いに近いようなことをしている人でも、現金でなく電子マネーで施しを受けているらしい。これはネタかもしれないけれどw

でも現金信仰は、決して日本だけの専売特許でもない。この記事によると、世界の人の過半数はいまだに日々現金を使用しており、アメリカ人の60％、ヨーロッパ人の80％が、過去3日間に現金を使用したと回答した。さらに、回答者の76％が、（望んでいても）完全なキャッシュレスにすることはできないだろうと答えている。

その理由は現金に対する信頼だけでなく、性質として匿名性を持つことがあげられている。番号を控えられていない限り、誰がその現金を使ったのかわからない。お金の流れを知られることがないので、いろいろと都合がいい。

脱税やマネーロンダリング等の犯罪だけでなく、いわゆる『袖の下』というワイロにも使われる。ボクが税理士事務所で働いているときに経験しているけれど、建設業界の下請けは、仕事をもらうために現金をばらまいている。おそらく今でもあるだろう。

でもそれゆえに犯罪にも遭いやすい。強盗がもっとも欲しいのは現金。カードなんて足がつくだけ。だから警察に証拠として保管している8500万円の現金が消えたりする。

もしキャッシュレス化をすれば、そうした犯罪が大幅に減少するはず。もちろん北朝鮮のように国家ぐるみで銀行に対してサイバーテロを仕掛けるような国もあるから、セキュリティの強化は必要だろう。だとしても現金よりはガードしやすいと思う。

もし真剣にキャッシュレス化を進めようとするならば、国家的規模で実行しないと難しいと思う。現金を使いにくい、あるいは使うほうがデメリットの多い環境にしていかなければいけないから。

この記事で韓国の試みが紹介されている。先月の20日から始まった社会実験で、大手のスーパーやコンビニが参加している。消費者が現金で買い物したお釣りを、その人のプリペイドカード、あるいはモバイルカードに入金するという実験。まずはコインからなくしていこうとう発想らしい。

韓国ではコインの製造に、年間で53億円を使っている。コインレスにするだけで、その費用が浮くという計算。EUではマネーロンダリングやテロリストの資金を封じるために、500ユーロ札の発行を取りやめることを決めている。

やはり国が主導となって、えいやっ！でやらない限り、キャッスレス化は難しいのかも。とりあえずスーパーのレジに並ぶときは、あらかじめ小銭を用意してよね〜〜！

『高羽そら作品リスト』を作りました。出版済みの作品を一覧していただけます。こちらからどうぞ。