こんな偶然って、ある?
今日はふいに思い立って、あえて人の多い場所へ行ってみた。少しはゴールデンウィークの雰囲気を感じてみようと思ったから。
向かったのは神戸市垂水区のマリンピア神戸というアウトレットモール。明石海峡大橋と淡路島が見渡せる海外沿いにある。
あまりに気持ちのいい天気なので、JR六甲道駅ビルにある惣菜専門店でお弁当を買って、この景色を見ながら食べた。どうせレストランは大混雑だろうからね。
風は乾燥していてちょうどいい温かさ。外で食事をするのにはもってこいの天気だった。
その代わり人の多いこと、多いこと。アウトレットモールには普段から土日に行くようにしている。セールをしていることが多いから。だからある程度混雑している状況を知っているけれど、さすがはゴールデンウィーク。今まで過去に行ったなかで、最高に多い人出だった。
特に欲しいものはないので、ただ目の保養をしていただけ。それでも十分に楽しくて、連休の雰囲気を感じることができた。必死になってお買い得品を探している人たちを観察していると、人間の本性が垣間見れてなかなか楽しかった。
久しぶりにのんびりと外出したので、今夜の就寝前は仕事だね。年中無休を宣言していると、こういう時にさぼらなくてすむ。やっぱり公言するのはいいことだ!
さて、昨日は録画していたドラマを見てぶったまげた。こんな偶然って、ある? とマジで叫びたくなった。
録画したドラマは先日放送された『世にも奇妙な物語』という番組。オムニバス形式で不思議なストーリがドラマ化されている。
最初は面白くても、オチがイマイチだったりして、勉強になったという作品は少ない。だけどたまに個人的なヒット作品が出ることがある。今回の放送では久しぶりのヒットが出た。
その作品は『妻の記憶』というもの。
認知症を患っていた妻が、3年前に火事で事故死する。まだ50代の若さだった。3年後にひとり娘が結婚式をあげるが、その披露宴の席で新婦の父が不思議なスピーチをする。
妻が亡くなった直後、夫は幽霊のような妻の姿を見るようになる。ところが話しかけても答えないし、淡々と日常生活を過ごしているだけ。不思議に思って友人の学者に尋ねると、おそらく妻の記憶の残像が夫だけに見えるのだろう、ということだった。
認知症だから記憶を失いたくない。その必死の想いが強い念となって、記憶の残像を残しているらしい。それまで仕事が忙しくて妻の面倒を見ることがなかった夫は、仕事を辞めて妻の記憶とともに過ごすことにする。
でも3年経てば、妻が事故死する記憶を見てしまう。つまり二度も妻を失う経験をすることになる。そのことがわかっていても、夫は妻の記憶とともに暮らすことを選択する。切なくて、切なくて、マジで涙が止まらない。
そして火事で事故死するときの記憶を知ったとき、ドラマを見ていたボクも妻も号泣してしまった。これから見る人がいたらネタバレになるので、どういう事情だったかは書かない。でも感動するよ。あまりに切なくて、胸が締め付けられるように苦しかった。
ここ数年に放送されたこのシリーズのドラマでは、久しぶりに大ヒットの作品だった。夫役を演じた遠藤憲一さんは、本当に素晴らしい。彼の演技なしには、このドラマは成立しなかったと思う。
さて話を最初に戻すけれど、なぜこんな偶然って、あるのか、とボクが驚いたのか?
実は妻を演じた女優さんに驚いた。
昨日のブログで書いたように、午後から『半落ち』という映画を観た。そのとき認知症を患って殺された妻を演じていたのは、原田美枝子さんだった。樹木希林さんに負けない、最高の演技だった。
そして昨日の夜に観た『妻の記憶』というドラマで妻を演じたのが、同じく原田美枝子さん。殺されたのではなく事故死だけれど、認知症を患っていて死ぬという状況はまったく同じ。
関連がないことはわかっているけれど、さすがに驚いた。だって同じ日の午後と夜のことだからね。
とにかく『妻の記憶』というドラマは、最高に素晴らしいドラマだと思う。日常生活の何気ないことが、どれだけ幸せなことなのかを思い知らされる。失くしてからではどうしようもない。
もしまだ観ていない人がいれば、ぜひ体験して欲しいと思うドラマだった。遠藤さんと原田さんの演技に、心を大きくゆさぶられるはず。
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