SOLA TODAY Vol.951
街を歩いていてムカつくのが、信号のない横断歩道での自動車。歩行者が道路を渡ろうとして顔をのぞかせているのに、止まる気配も見せずに突っ切って行く車がとても多い。これは完璧な道路交通法違反。
運転免許試験をはるか昔に受けたボクでさえ、そのことを覚えている。信号のない横断歩道では徐行するのが当たり前で、歩行者がいたら停車して横断するのを待たなくてはいけない。
ところがこのルールが全国的に無視されている。自分の命を守るためには、最優先であるはずなの歩行者が車の通過を待たなくていけない。ボクはそのことが我慢できないので、安全を確認しつつあえて道路に出る。絶対に停車させてやろうと意地になってしまう。危ない、とたまに妻に怒られるけれど。
自動車が歩行者を軽視する傾向は、日本の交通事故に特異な状況をもたらしている。
歩行者の死亡事故ダントツの日本、ドライバー厳罰化で解決できない理由
ここのところ歩行者を巻き込んだ悲惨な事故が続いている。先日に滋賀県の大津で起きた事故は、怒りの持って行き場に困るほど辛いものだった。東京で起きた母と幼い娘の事故死も辛すぎるし、神戸でも横断歩道を渡っていた20代の二人が市バスにはねられて命を落とした事故も胸が痛い。
日本では他国に比べて死亡事故が多いわけじゃない。人口10万人あたりの死者数は世界で10番目とのこと。だけど内容が悪い。
外国での死者は50パーセント前後が車に乗車している人だそう。自動車同士の事故による死者数が過半数近くを占めている。ところが日本では21.4パーセントしかない。つまり死者の多くは車に乗っていない歩行者だということ。
歩行中に事故に巻き込まれて亡くなる人は、スウェーデンでは10.8パーセント、ドイツでは15.5パーセントになる。ところが日本では37.3パーセントという驚異的な数字が出ている。明らかに異常だろう。
道路事情が不利だということはあるかもしれない。外国なんかは歩道が大きく取られている。日本の道路だと、ガードレールのない路側帯を大勢の人が歩いている状況だものね。でもそれだけじゃない。
先ほども書いたように、歩行者を軽視する傾向が強い。信号のない横断歩道で止まらない車が多いということがその事実を証明している。大阪知事の吉村さんが大津の事故を受けて、自動ブレーキを搭載した自動車限定の免許制度を設けるべきだとツイートされていた。
あるいは運転者を厳罰に処するべきだという声も出ている。もちろんそうしたことはある程度必要だと思う。だけど人間が運転している限り、やはり同じことが起きるように思う。
極論かもしれないけれど、1日でも早く自動運転の車を導入するべき。交通事故に関する日本の特異な状況からすれば、世界の先陣を切って本格的な導入に踏み切る決意を示し、自動車メーカー等に行政が働きかけていくべきだと思う。そういうことに税金を投入したほうがいい。
とにかく歩行者としては、運転している人を信用しないほうがいいよね。現状では自衛するしか、自分の命を守る方法がないと思う。
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