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高羽そらさんインタビュー

知られていない戦争の闇

かなり衝撃的な映画を観た。実話だけにあまりに思うことが多すぎて、うまくまとめられない気がする。

 

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『パシフィック・ウォー』(原題: USS Indianapolis: Men of Courage)という2016年のアメリカ映画。ニコラス・ケイジが主演している。

 

物語は1945年の7月。アメリカが日本との戦争を終わらせるため、原爆の使用を考えていた時期。ただ問題は、日本に知られることなくどうして原爆をテニアン島の基地まで運ぶかということだった。

 

そこで硫黄島の戦いで功績のあった巡洋艦インディアナポリスの艦長であるマクベイ大佐が選ばれた。だが極秘任務なので、日本だけでなくアメリカ軍にもその任務を知られてはいけない。だから駆逐艦の護衛なしの単独航海を強いられた。それは潜水艦に狙われたら終わりだということ。

 

そして予想どおり、日本の潜水艦が攻撃してきた。だがうまく攻撃をかわし、無事に任務を遂行する。ここまでの時間が異常に早い。映画の展開がどうなるのかと思っていたら、そこからの帰りが地獄だった。

 

戻るのも同じく護衛がつかない。そしてやはり日本の潜水艦に攻撃される。そして魚雷が命中して、この船は沈没する。乗組員は1,196名だったが、戦闘によって300人が命を落とす。残りの900名近い兵士たちは海に投げ出される。そこには恐ろしい人食いザメが待っていた。

 

なんと救出されるまでに5日も要している。存在しないと思われている船だったから。助けられたときに、兵士は300人台まで減っていた。ここまでの映像は、『タワーリングインフェルノ』と『ポセイドンアドベンチャー』と『タイタニック』と『ジョーズ』を足して割ったような展開。かなり怖い。

 

だけど映画のクライマックスは、救出後にあった。マクベイ大佐はアメリカ軍幹部の罪を押し付けられる。護衛がないうえ、日本軍は『回天』という人間魚雷を使う。だからジグザグ航法を取っても逃げきれない。

 

それなのに大勢の兵士を死なせたのは、マクベイ大佐の責任だということにされた。軍事裁判で彼は有罪を受けてしまう。生き残った兵士は必死で擁護したけれど、軍部は聞く耳を持たない。そして戦死した兵士の遺族は事実を知らないから、大佐の自宅に電話をかけて恐喝まがいの行動を取る。


結果として、このマクベイ大佐は自殺してしまう。なんという悲劇なんだろう。

 

クリントン大統領の時代になって、ようやくマクベイ大佐が無実だと認められ、彼の名誉が回復されている。自殺して50年も経っているけれど。

 

とにかくいろんなことを感じる映画だった。特にこの映画の後半はとてつもない問題を提起してくる。裁判で攻撃してきた日本の潜水艦の責任者と、マクベイ大佐が合うシーンがある。

 

もし行き道で攻撃に成功していたら、日本に原爆は落とされなかったかもしれない。どうせ日本軍はボロボロだったから、敗戦を受け入れるしかなかっただろう。だから日本人の責任者は複雑な思いを告げる。

 

この裁判は明らかに不当だ。日本の軍隊では考らえれない、とマクベイ大佐を擁護する。だけどあなたの作戦を阻止できなかったことで、軍人としての苦痛を覚えているとも言った。もしかしたら原爆投下を防げたかもしれないから。本当に複雑な気持ちだと思う。

 

終戦直前に、こんなことが起きているなんて知らなかった。知られていない戦争の深い闇を、この映画から教えてもらった気がする。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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