ブランドイメージは創るもの
関西在住以外の人にはピンとこないだろうけれど、『阪急』という名前に好印象を持っている人が多い。なかでも『阪急電車』という言葉からはハイソな香りが放たれているように感じる。
関西には多くの鉄道が運営されているけれど、代表的な大手と言えば『阪急電鉄』、『阪神電鉄』、『京阪電鉄』、『近畿日本鉄道』、『南海電鉄』、『JR西日本』の6社だと思う。どこか忘れてないかなwww
個人的な好みや生活圏によってイメージは異なるだろうけれど、『阪急電車』という言葉に高級感を覚える人は多いと思う。わかりやすいのはボクが住んでいる神戸。
神戸三宮と大阪梅田を結ぶ鉄道は3本ある。両端の駅は3社ともほぼ同じ場所にある。面白いことにその3本は五線譜の一部のように東西を貫いている。もっとも北にあるのは阪急電車、そしてJR西日本、阪神電車と南下していく。
そして全体のイメージとして、北に行くほど高級住宅地が多く、南に行くほど下町感が強くなる。偏見だと非難されるかもしれないけれど、実際に歩いてみるとわかるはず。鉄道の踏切を越えるたび、どことなく街の雰囲気が変わるのを実感する。
お金持ちが山手に豪邸を建てることが多く、結果としてもっとも北にある阪急電車のイメージが連動しているんだろう。でも『阪急』のイメージに高級感があるのはそれだけでなく、あえて意図的に創作されているらしい。
電車には車内吊り広告というものが欠かせない。よく見かけるのは週刊誌の見出しが書かれた広告。ところが阪急電車には週刊誌広告がまったくない。ボクもこの記事を読んで思い返してみたけれど、そういえば目についたことがない。
阪神電車は甲子園に行くときぐらいしか乗らないのであまりよくわからないけれど、JRの列車に乗ると目に付くのは週刊誌広告。だけど阪急電車にはない。それはあえて避けているとのこと。
阪急は以前から週刊誌広告に関して、「鉄道という公共の場にふさわしくない内容が含まれることがある」ということで広告代理店に掲載しないように申し入れていたそう。問題ない場合もあるけれど、線引きが難しいのですべての週刊誌広告を断っている。
おそらくそれ以外にも企業イメージを高めるために、あらゆることに配慮しているんだと思う。だから線路の立地的なイメージだけでなく、阪急という会社が意図的に創り上げているイメージが功を奏しているのかもしれない。ブラントイメージというもは、努力して創っていくものなんだろう。
そういえば梅田の百貨店も同じ印象がある。阪急百貨店と阪神百貨店は、睨み合うように並んで建っている。ボクの場合は基本的にデパ地下しか行かないけれど、先入観があるのか、あるいは企業戦略に乗せられているのか、阪急百貨店の食品売り場は高級感が強い。
一方、阪神百貨店の食品売り場は庶民的なイメージを感じる。だから誰かに贈り物をするときは阪急で探し、自分が食べたいものは阪神で探すという雰囲気になりやすい。好みの問題なので微妙だけれど、なんとなくブランドイメージが作用しているんだと思う。
でもデパ地下に関しては、ボク個人としては阪神のほうが好き。食品を見るのは圧倒的に阪神のほうが楽しい。それはそれで、『阪神』のイメージ戦略が機能しているんだろうね。
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