教委のITリテラシー低すぎ
新型コロナウイルスの影響で、大人だけでなく子供の自宅待機も昨年には実施された。それゆえリモートに授業が行われるようになり、いまでも私学ではリモート授業をやっている小学校がある。
ちょうど文部科学省が始めた「GIGAスクール構想」により、生徒一人ひとりにPCやタブレットを提供して授業を進めるようになってきた。まだ全国的には浸透してない部分もあると思うけれど、遅かれ早かれコロナに関係なく導入されることになっていくはず。
ただ問題なのは実施する自治体の教育委員会、並びに教師のITリテラシーが低いということ。これまでそのレベルの低さが問題視されてきたけれど、諦め気分で笑い話のネタにされていた程度。だけど子供の命に関わってくると、そうはいっていられない。とても恐ろしいことが報道されていた。
いじめ温床のタブレット端末、パスワードは「123456789」 町田の小6自殺
昨年の11月、東京都町田市の小学校六年生女児が、いじめを受けていたというメモを残して自殺した。報道でも大きく取り上げられていたので、記憶にある人は多いだろうと思う。調査をしていた文部科学省は、「GIGAスクール構想」の先進事例として提供されていたタブレットが、いじめの温床になっていたことを認めた。
その報告内容を読んで、信じられない気持ちになった。タブレットの個人情報に接続するIDは児童の所属学級と出席番号を組み合わせたもの。そしてパスワードは全員共通の「123456789」ということ。アホか!
東京都、並びに町田市の教育委員会は、『成りすまし』という言葉を知らないのだろうか? こんなIDとパスワードなら、子供でも他人に成りすますことができる。例えば特定の誰かを陥れるため、その人物のIDに侵入して適当な書き込みができる。そしてそれを取り上げることで、さらしものにするなんて簡単。
この女生徒のいじめが具体的にどう行われたかはわからない。だけどいじめに関してタブレットの使用を文部科学省が認めたということは、「成りすまし」が起きた可能性を否定できないと思う。もしそうでなくても、ネットを使ったいじめは陰湿になりがち。教育委員会としてはそんな事態を想定しなかったのだろうか?
国の指針としては、『文部科学省情報教育・外国語教育課によると、端末には学業成績など個人情報も保存されるため、個々のIDとパスワードは本人と保護者、教員以外に知られないようにするのが基本という』こと。当然だろう。
それについて町田市の教育委員会は「調査中のために答えられない」と答えている。いったいどんな言い訳を考えているんだろう?
もし本気で「この程度のIDとパスワードで問題ない」と考えていたなら、担当責任者の処分を考えるべき事態。あまりに世間の常識からかけ離れすぎている。ネット関連のセキュリティやシステム構築に詳しい人員配置をしないと、再び同じようなことが起きてしまう。とにかく怒りしか感じない記事だった。
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