戦争が起きる前に考えるべきこと

投稿日：2022.12.15｜カテゴリー：雑学&小説ネタ

ロシアによるウクライナへの侵攻は、残念ながら年を越すことになりそう。停戦の兆しが全く見えないので、今年の２月に始まった戦争が１年を超えるのは確実だろう。

一方ウクライナと同じくロシアと国境を接する日本では、今のところ戦争は報道の世界のことでしかない。だけど平和な今だからこそ、考えておくべきことがあると思う。フィンランドのマリン首相の言葉は、そのことを切実に感じさせてくれた。

「ロシアや中国に依存するな」「ロシアの論理は異なる」フィンランドの失敗から学んでと警告するマリン首相

フィンランドも日本と同様にロシアと国境を接している。そしてソ連時代を含めて、ロシアはフィンランドに何度も牙を向けてきた。それゆえフィンランドはロシアとの関係に注意を払い、経済で結びつくことで平和を維持しようと努力してきた。

ところがロシアによるウクライナへの蛮行を目の当たりにして、それがロシアには通用しないことを痛感した、とマリン首相は語っている。リンク先の記事で紹介されているマリン首相の言葉を抜き出すだけでも後悔が伝わってくる。

「ロシアと経済やエネルギーのつながりを持っておくことが金銭的な節約であり、戦争を防げると思っていました。でもそれは間違いだった。経済的なつながりが平和への道であり、これほど強いつながりなら戦争も衝突も防げると思い込んでいたのです」

「でもロシアの論理は全く違いました。ロシアは私たちと同じようには考えてはいません。これこそが私たちが学ばなければいけない教訓です」

「ポーランドやバルト諸国は『ロシアの考え方は違う』とずっと主張していました。彼らの主張は正しかったのです。他国の警告に我々は耳を傾けるべきだったのです。『私たちとロシアの論理は違う』『私たちは間違えていた』ということを認めて学ばなければいけません」

「論理が異なる中国やロシアに依存するべきではありません。ロシアがエネルギーで私たちを脅かすことができる状況を、私たちは自分たちで作るべきではありませんでした」

この言葉を日本人は噛み締めるべき。なぜなら日本は海を介しているとはいえ、ロシア、そして中国と国境を接しているのだから。

岸田首相は防衛予算の増額を表明した。そのことはいいと思う。だけど財務省の言いなりになって安易に増税へと走る様子を見ていると、本当に肝心なことが見えているのだろうかと不安になってしまう。日本の平和を維持するためには、もっと真剣にやるべきことがあると思う。

例えばインターネット。もし世界大戦が起きたら、インターネットは使い物にならない。それがどれほど大変なことか、この記事を読むだけでもわかる。

もし世界大戦が起きたらインターネットはどうなってしまうのか？

カリフォルニア大学の研究者によると、世界大戦によってインターネットが使用不能となり、世界中をパニックに巻き込むだろうとのこと。クレジットカードは使えないし、情報が全く入ってこない。それによって買い占めやATMの破壊が起こり、家族や知人とも連絡が取れない。

戦争による危機として多大な影響があるのは、海底ケーブルが切断されること。世界のトラフィックの98パーセント担っているので、海底ケーブルが破壊されたら世界から孤立してしまう。さらに戦時の非常事態によって、国家権力がブロバイダーに圧力をかけてくる可能性もある。つまり政府の思惑で、勝手にネットを切断することができてしまう。

平和な今だからこそ、世界大戦時における具体的なシミュレーションが必要だと思う。フィンランドのマリン首相はそのことを考慮して、NATOへの加入申請や、フィンランドが世界をリードできる産業育成に取り組んでいる。

日本政府は世界大戦という非常事態を本気で考えているのだろうか？　最善を期待しつつも、最悪の事態に備える。それは国家として必要不可欠なことだと思う。

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