コロッケを30年も待てる?
妻には根気があると言われているボク。確かに何かを継続するということは好きだし、好きなことに関しては折れずにやれるほうかもしれない。でもどちらかと言えば関西人の気質が強くて、いわゆる『イラチ』であるのも事実。だから内容によっては、数分でさえ待つのもイラつく。
そんなボクが口あんぐりとなった記事の見出しがある。とてもじゃないけれどボクには無理!
おそらくこの見出しを見たほとんどの人が信じられないはず。たかだかコロッケだよ。ボクなら30分待ちでも無理。なのに30年という予約待ちになっているらしい。冗談ではなく本当のこと。記事を書いたCNNの記者もタイプミスでないことを強調している。
そのコロッケを販売しているのは、兵庫県の高砂市にある「旭屋」という精肉店。お肉屋さんのコロッケが美味しいのはわかる。それもこの精肉店は神戸ビーフを扱っているので、かなりの美味だと想像できる。
コロッケは4種類あるそうで、「極み」というコロッケが30年待ち。「プレミアコロッケ」という商品でも4年待ちらしい。最初にも書いたけれど、たかだかコロッケだよ。4年でも信じられないのに、30年なんてどれだけ歩み寄っても購入者の気持ちが理解できない。
リンク先の記事には、このコロッケの履歴が書かれている。本来は神戸ビーフを売るのが目的だったそうで、採算を度外視でコロッケの販売に踏み切ったそう。作り始めたのは1994年。「極み」は1個270円だけれど、それに使う牛肉だけでも400円する。つまり作れば作るほど赤字になってしまう。
それでもコロッケを気に入った人が神戸ビーフを買ってくれるので、生産を続けてきたそう。ところが2000年になってコロッケがマスコミに報道されて、一気に注文が増えたらしい。赤字になるので個数を限定している。だから当然ながら予約待ちの時間が伸びるばかりだった。
その段階で待ち時間が14年になったことで2016年に生産を中止。だけど再開を求める声に負けて、2017年に再び生産に踏み切った。その代わり値段を540円に上げ、週に200個だったのを1日200個に増産した。もちろんそれでも赤字。なのに注文が殺到して、30年待ちという状態になっているらしい。
お店の意図は理解できる。実際にコロッケの購入者が神戸ビーフを買ってくれるので、全体としては採算が合うそう。ボクが理解できないのは、顧客の精神状態。だって30年だよ! 来週でさえ生きているか死んでいるかわからないのに、30年先の配達を待てるという気持ちがわからない。
注文したのが30歳だとして、コロッケが到着するのは還暦。これは根気というレベルで語れることではなく、ボクにすれば「アホちゃうか」という雰囲気。30年先も自分の人生が続いていると考えていることに、多大なる違和感を覚えてしまう。
30年先の冷凍コロッケを待つよりも、今すぐ食べられる熱々のコロッケの方がいい。「30年先の注文をするのは、単なる話のネタやんか」と笑い飛ばせることなのかもしれない。遊び感覚で楽しんでいるだけなのかも。
でも「イラチ」のボクにすれば、30年先のことを笑い話にする時間さえもったいない。そんな時間があるなら、「今」やるべきことに集中したい。30年も経って生きていたとしても、コロッケを噛む歯がないだろうからねwww
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