交通事故から見える男女差別
人間社会において差別の根絶はまだまだ遠い。人種差別のようなあからさまな問題でさえ根強く残っている。だから一見しただけではわからない差別は至るところに存在していると考えるべき。そんな隠された差別が交通事故で明らかになっている。
男性の1.5倍! なぜ女性は「自動車事故」で負傷しやすいのか? データと分析から得られたその要因とは
自動車事故に関して、女性の負傷率は1.5倍も高いという結果が出ている。これは特定の年数だけではなく、過去のデータをさかのぼっても同様の結果が出ているとのこと。つまりそこには構造的な問題があるということ。
リンク先の記事では、この男女差について検証されている。まず怪我の状態から言えば、男性は頭、顔、胸、四肢の怪我が多い。一方女性は、腰や脊椎の損傷が多いそう。これは肉体的な構造の差もあるだろうけれど、座っている位置による差異だと見られている。
男性は運転席に座ることが多いので、顔や胸の怪我が多い。女性は助手席等に座ることが多いことで、側面からの影響を受けやすい。女性に腰や脊椎の損傷が多いのは、側面衝突によるものらしい。でもこれは全体的なものであって、もっと根本的な問題がある。
それは自動車の設計的な問題。
自動車を開発するメーカーは、『男性』を基準として設計しているそう。事故を想定したダミー人形も男性の身体を想定している。だから自動車の座席は男性の身体にマッチした構造になっている。
でも女性は男性に比べて身長が低い。だから事故に遭遇した際、ヘッドレストの位置等がずれていることでむち打ち等を発症する可能性が高くなる。
さらに女性の身長が低いということは、座席を前面に移動させてハンドルを手にする。だから事故を起こした際、ハンドルで胸を強打したり、車内に閉じ込められる可能性が高くなるとのこと。
軽自動車等に関しては、女性を意識した設計をされている場合もあるそう。でも全般的には男性の身体を想定した設計になっているのが現状とのこと。
これはなかなか難しい問題。自動車メーカーとしては男性のドライバーが多いことを意識しているのだろう。それは売上にも影響してくる。だから男性仕様の設計になりやすい。これはある意味、隠された男女差別だと言っていいような気がする。
誰にでも適応するユニバーサルデザインで設計するのは難しいのかも。けれども1.5倍という負傷率の差は無視できない。自動車メーカーとしては、この事実を直視した方がいいと思う。逆に言えばユニバーサルデザインを前面に押し出すのは、他社メーカーとの差をつけるチャンスだと思うけれどね。
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