未来
義務教育の最後の方で夢中になって読んでいたSF漫画、「地球へ」。
人間と、突然変異で進化した人々(ミュー)との間に起った覇権争いが主題となっており、ミュー達は、体に何らかの不具合があるものの、それを補って余りある能力を持ち、お互いに経験したことをシェアしあって自らの経験できたため、進歩・発展が速いという設定でした。
もし、この「経験のシェア」が出来たならば。
確かに人間はいままでの倍以上のスピードで進化していけるのかもしれません。
「ケガするからやめなさい」と、自分より長い年月を生きている親に言われても、その子供は実感としてそれが危険であることを認識していないので素直にはやめられない時もあります。それが、「あ、そうだったね」と納得できるわけですから、回り道が少なくて済むようになります。
何度も実験を繰り返して、これが良いと知るまでもなく、これは何度か試してダメだったというところから次なる道を模索して行けた方が速いに決まっています。
他人の経験をコピーして作られた、「自分の」経験。「地球へ」の世界は「2001年宇宙の旅」などのように、それがいつ頃なのか西暦で示されてはいませんでしたが、道路は自動で動き、人々は宇宙へ旅立っていました。そんな日常が実現する頃には、経験もまたコピーできているのかもしれません。
階段ではなく、エレベーターで上り下りが出来れば…と、願った明治の夢は、ほどなく実現されました。人がそれを本当に願うのであれば、叶う日も近いのかもしれません。
*写真は友人とシェアした「RITUEL par Christophe Vasseur 」のエスカルゴ(ショコラ・ピスターシュ)です。