今日の言葉 6月29日
『憎しみを打ち砕くために』
世界はあなた自身の延長です。一個人であるあなたが憎しみを打ち砕きたいと願うなら、一個人であるあなたが憎むことをやめなければなりません。憎しみを打ち砕くためには、微妙なものから露骨なものまで、あらゆる種類の憎しみから自分自身を引き離さなければなりません。その中に囚われている限り、あなたは無明と恐怖が渦巻く、あの世界の一部なのです。そうすると、世界はあなた自身の延長であり、複製された無数のあなた自身から成っているのです。
一人一人の個人と別々に世界が存在しているのではありません。観念として、国家として、社会機構として世界は存在するかもしれませんが、その観念を実施するためには、その社会機構なり、宗教組織なりを機能させるためには、個人の存在が不可欠です。個人の無明や貪欲、恐怖が、無明や貪欲、そして憎しみの体制を維持しているのです。ではもし個人が変わったならば、その個人は世界に、そう憎しみや貪欲が渦巻く世界に影響を与えることができるでしょうか？
あなたが無思慮であるならば、そして無明や憎しみ、貪欲に囚われているならば、世界はあたなの自身の延長です。しかしあなたが真摯で思慮に富み、自覚を持つならば、苦痛と悲しみをもたらす、このような忌まわしき原因との断絶が起こります。しかし、そればかりではありません。その理解の中に完全性と全体性も起こるのです。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜
