今日の言葉 8月8日
『現実を理解する』
私たちは現実のものではない、思い込みや理想から始めるので、惑わされています。思い込みではなく、事実から始めるためには、細心の注意が必要です。そして現実に基づいていない思考形態はどれも雑念です。だからこそ、自分の内面と身の回りの双方において、実際何が起こっているのかを理解することが、極めて重要であるのです。
あなたがキリスト教徒であるならば、あなたのビジョンは何らかの特定のパターンにはめられます。ヒンドゥー教徒、仏教徒、あるいはイスラム教徒であるならば、それぞれまた違ったパターンにはめられます。あなたは自分が受けている条件づけに基づいて、キリストやクリシュナを見ているのです。教育、あるいは自分が生まれ育ってきた文化が、あなたのビジョンを決定しているのです。では、どちらが現実でしょうか?
ビジョンとは、たまたま精神の背景を形成している、特定の伝統が投影されたものです。この条件づけが現実であり、事実なのであって、条件づけが投影しているビジョンが現実なのではありません。事実を理解することは簡単なことです。しかし私たちの好き嫌いや事実に対する咎め立て、あるいは事実に対する見解や判定のせいで、それが難しくなっているのです。こういった様々な形の評価を持たないことが、現実、つまりあるがままを理解するということなのです。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜