SOLA TODAY Vol.86
日本時間の今朝、安倍首相と次期アメリカ大統領のトランプ氏が会談しています。会談の内容が気になるところですが、個人的には現状の日米関係が継続されていくだろうと感じています。トランプ氏は思っている以上に素晴らしい大統領になるのでは、という予感もします。
その一方で「反トランプ」の動きは衰えを見せず、「隠れトランプ」という言葉を頻繁に見かけます。自分の立場によっては、表立ってトランプ支持を表明できないからでしょう。そんな「隠れトランプ」の女性を取材した記事があります。
その女性はワシントンポスト紙の元記者です。イスラム教徒で子供時代にインドから移民した有色人種の移民女性です。イスラム教徒。有色人種の移民。そして女性。トランプ氏が選挙中に口汚く罵ってきたすべての要素を備えている人物です。どう考えてもトランプ氏を支持するとは思えませんよね。
この女性はそういったトランプ氏の発言に怒りを覚えています。「私はヘイトも分断も、そうしたことに対する無関心にも、断固として反対する。民主党の中絶、同性婚、環境問題に関する政策には賛成の立場だ」と述べられています。それなのになぜトランプ氏を支持しているのか? そこに現在のアメリカが抱えている問題が浮き彫りになっているような気がします。彼女は続けてこう言っています。
「しかし私はシングルマザーであり、国民皆保険制度「オバマケア」施行後の健康保険料を負担する経済力はない。住宅ローンの負担を軽減するオバマ大統領の「HOPE NOW」政策も、私には何の役にも立たたない。大統領選投票日だった日、私は自宅のあるバージニアから車で、故郷であるウエストバージニア州モーガンタウンへ帰った。そこで目にしたのは、アメリカの田舎町の、普通のアメリカ人が、オバマ政権誕生から8年経った今、自分と同じように苦しい生活をしているという現実だった」
初の黒人大統領として期待されたオバマ氏ですが、多くの人たちにとっては苦しい生活が改善されるどころか、さらに悪化しているという現状です。「オバマケア」によって、月額の健康保険料を10万円も払っている人がいるそうです。でも払わなければ、病気になった時にそれ以上の負担を強いられます。
ニューヨークではかなりひどいボロアパートでも月15万円以上の家賃で、毎年更新する度に増額されます。低所得者層なら審査に通れば3分の1で借りられる住宅があるそうですが、普通に仕事をしている中間層の人たちが審査に通ることはあり得ません。
さらにこの女性が「隠れトランプ」になったきっかけは、クリントン氏に対する信頼の欠如です。クリントン氏がウィキリークスで暴露されたメールによって、サウジアラビアとカタールがイスラム過激テロリストを秘密裏に支援していることを知りながら、その2カ国から巨額の献金を受け取っていた事実に失望したとのこと。
「私はトランプ氏のセクハラ発言についてロッカールームの会話だという言い訳は許容できないし、米国とメキシコの間に壁を作ることにもイスラム教徒の入国禁止にも反対だ。けれども、クリントン氏の支持はもうできなくなった」とこの記事で述べておられます。
この女性はCNNのインタビューにも登場したことで、SNS等で誹謗中傷の集中砲火を受けているそうです。彼女の立場なら、反トランプが当たり前だと思われているからでしょう。同じイスラム教徒からも、「お前はアラーの神によって地獄へ送られる」と言われています。
この記事を読んで、アメリカが抱えている深い闇の一部が見えたような気がします。全体の得票数ではクリントン氏に及ばなかったとはいえ、結果的にトランプ氏が勝利した理由がわかったような気がします。
現在の政府に対する「怒り」ですね。そしてそれを引き継ごうとしているクリントン氏に対する批判だったのでしょう。「隠れトランプ」と呼ばれる人たちは、全米のいたるところにいるのかもしれません。
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