どうしてそんなことで悩むの?
今日は祝日と土日に挟まれた平日ですね。通学や出勤される方は、何となく休み気分かもしれません。今日のわたしは引きこもりで、読書や録画したテレビを見ている以外は、ひたすら仕事をしていました。何と言っても新しい小説を書き始めるのは楽しいですからね。とにかく今日は、ひたすら主人公の悲惨な過去を書いていました(笑)
秋は実りの季節でもあって、果物が美味しいですね。昨日は無農薬の国産レモンが手に入ったので、食事に使ったり、お風呂に入れたりして楽しみました。自宅に実がなる木を持つのが夢ですが、マンション暮らしではそうもいきません。
昨日の散歩中に見つけたオリーブの木です。鉢植えなのですが、立派な実をつけていますね。我が家の唯一の植物であるサボテンたちは、マイペースでのんびりと育っています。3年半が過ぎてようやくわたしの親指大まで成長しました。彼らが花をつけるまでわたしが生きているのか、マジで心配になるスローペースです。
さて、昨晩に読了した本です。
『アリエリー教授の人生相談室 行動経済学で解決する100の不合理』ダン・アリエリー著という本です。
現在はデューク大学の教授で、過去にはマサチューセッツ工科大学の教授もされていた著者です。ネットで記事を読んで面白かったので、この本を読んでみることにしました。ウォール・ストリート・ジャーナルで連載されていたコラムを、一冊にまとめた本です。
読者の質問に対して教授が答えるという構成になっています。ユーモアセンス豊かな著者ですから、その回答にプッと笑ってしまいます。それでも長年の研究に基づき、とても的確な回答をされています。気楽に読める本ですので、ちょっとした時間待ちや隙間時間に最適だと思います。
ただ読んでいて気になったのは、読者の質問の内容です。どうしてそんなことで悩むの? と思うような質問ばかりです。わざと訊いているというのなら、どうにか納得できます。でも本気で質問しているとしたら、かえって心配になってしまうレベルの質問です。
なぜ答えを簡単に得ようとするのかな? わたしはそこが理解できません。自分でとことん考えたすえに、どうしても『この部分』で迷っているという訊き方なら理解できます。ほとんど自分では答えが出ていて、信頼できる人に背中を押して欲しいという感覚でしょう。
でもまったく自分で考えた様子もなく、ただ漫然と質問しているようにしか見えない内容がいっぱいでした。大切なのは答えだけではなく、自分のアタマを使ってとことん悩むことだと思います。その結果決定した答えなら、例え間違いだったとしても納得して次のステップに進めるはずです。そしてそれは貴重な経験となります。よし次は違った方向で行こうと、モチベーションを高めることが可能ですものね。
だけども考えもせずに誰かに答えを訊いたって、どうせ右から左の耳に抜けていくだけです。この本を読んでいて、そんな印象を持ってしまいました。自分で決められない、あるいは考えられない人が増えているのかもしれません。
この本を読んでひとつ勉強になったのが、「損失回避」という人間の行動です。同じ価値のものであれば、得るよりも失うほうが感情的なインパクトが大きいそうです。得ることよりも、失くすことの方に意識が持っていかれるということですね。
だから人間は、無意識にそうした損失を回避しようとするようです。もしかしたら人間が変化を恐れるのは、この「損失回避」が働いているのかもしれません。何かを変えることで得るものはあるけれど、失うものが出てくるのは当然です、それが変化ですから。
ところがそれが同じような価値だと感じると、失うものに意識が向いてしまいます。だから変化を促す行動に踏み切ることができない。もちろんリターンが失うものの価値を大幅に上回っているのなら、「損失回避」は起きないでしょう。でも大きなリターンは、ハイリスクを伴うものです。やっぱり行動経済学の観点で見ると、人間は「迷える子羊」になってしまうのかもしれませんね。さらっと読めて楽しい本でした。
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