SOLA TODAY Vol.555
『家、ついて行ってイイですか?』という番組が好きで、録画していつも見ている。
世の中にはいろんな人がいることを理解できるし、世相の一部が見え隠れする。かなり強烈なキャラに圧倒されることもあるけれどね。
なんとなくの印象なんだけれど、以前から感じていたことがある。あまり裕福でない人。ズバリいえば貧困世帯だと感じるような人たちに限って、太っていることが多い。単なる偶然かと思って意識していると、かなりの確率の高さでその傾向がある。
その感覚は意外と正しかったかもしれない。肥満と収入についての研究が紹介されていた。
年収が低いほど食事が炭水化物に偏っていることが判明 「手っ取り早くお腹がいっぱいになるものを食べる傾向」滋賀医科大学
タイトルにあるように、滋賀医科大学が研究結果を発表している。この記事によると、
『20歳以上の男女約2900人のデータを分析したところ、世帯年収が200万円未満の女性は、600万円以上の女性と比べて、肥満のリスクが2.09倍になることがわかった。教育年数が9年以下の人も、10年以上の人に比べて、肥満リスクが1.67倍だった』とのこと。
その理由となるのが炭水化物の摂取。同じ記事によると、
『炭水化物がエネルギーに占める割合は、世帯年収が600万円以上だと男性58.6%/女性56.8%、200~600万円未満では男性59.5%/女性58.3%、200万円未満では男性61.1%/女性59.7%だった。野菜の摂取量を反映する「尿中カリウム排泄量」も収入が低いほど低くなっている』という結果が出ている。
めちゃわかりやすい結果。炭水化物は比較的安価で、お腹がいっぱいになる。
ボクが18歳のときに家出をしてアルバイトで暮らしていたころ、貴重な食料はパン屋さんでもらう、無料の『パンの耳』だった。あとはバイト先のコンビニでもらう、期限切れの『おにぎり』。たしかに炭水化物ばっかりだわ。
ボクの場合、あまりに食事が貧困すぎて、肥満どころか激やせしてしまったけれどね。ある程度のお金がないと、太ることもできないのだろう。友人が気の毒がって、お弁当を差し入れてくれたことがあるほどw
とにかくボクがテレビで見ていた印象は、ある程度の裏付けがあったということ。だけどボクが感じるには、もっと深い理由があると思う。たしかにお金がないと、安価な炭水化物の食事になるだろう。健康にかけるお金も減るので、歯を失う人が多いのもわかる。
でも本当に貧困が理由なんだろうか?
ボクが直感的に思うには、『怠惰』がその理由だと感じている。
収入や学歴の高さは、社会における絶対的な指標ではない。個人的な事情もあるだろうし、そのときどきの社会情勢もある。だけど同じ条件で差がつくのは、自分の人生に真剣に向き合っていなかったからじゃないだろうか? そこに『怠惰』というものが関与していないだろうか?
収入が低いのに太っている人の家には共通点がある。かなりの確率の高さで、部屋が汚い。物であふれていて、掃除がなされていない。ひどい場合は、いわゆるゴミ屋敷になっている。
そういう人は動かない。家にいてもゴロゴロしている。そして安価な炭水化物で、とりあえずお腹を満たす。健康に気を使って運動しようとか、部屋を綺麗にしようかという気持ちもない。当然ながら、仕事に対しても熱意が持てないだろう。だから収入も少ない。
収入や学歴の低さが肥満や不健康の原因なのではなく、その人の持つ怠惰性がそうした状況を引き寄せているのではないだろうか? うがった見方かもしれないけれど、この記事を読んでいてそんなことを思った。
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