SOLA TODAY Vol.610
客観的に不利だと思われることを、あえて認めることで生かしていく。そんなことができたらいいよね。それを見事やってのけた人がいる。
今朝のブログを書くために別の記事を用意していたけれど、昨晩の就寝前にめちゃ面白い記事を読んで感心してしまった。それで急きょ変更。
デブでブサイクな男子大学生が女子店員よりもレディース服を売れるようになった話。
タイトルだけで惹かれるよね。男子大学生がアルバイトの体験を書いている。文章がうまいなぁと思った。さらに記事の内容にいちいちうなずいてしまったし、新しい発見をさせてもらえた。
詳しくはリンク先の記事を読んでもらったらいいけれど、概要だけを記しておく。著者は女性にモテたいと思ってアパレル関係でアルバイトを始めた。本人いわく、自分はデブでブサイクとのこと。そんなハンデを克服するため、アルバイト先で点数を稼ごうとしたのかもしれない。
たとえアルバイトであっても、ノルマは課せられる。最初はメンズ服で接客していたが、人手が足りないときにレディースの接客をした。たまたま女子中学生が母親と一緒に来ていて、試着等で声をかけられている。
このときの著者の対応が見事だった。もともと素質がある人なんだと思う。気の利いた対応の結果、数点の服を購入してもらえた。それでレディース部門でもいけると思い、接客するようになる。だけどそれはビギナーズラックでしかなかった。
この記事の冒頭にも書かれているけれど、女性のあなたが洋服を買いに行ったとき、デブでブサイクな店員が近づいてきたらどう思うだろう? 男性なら女性の立場になって想像して欲しい。おそらくほとんどの人が頭に思い浮かべるのは、
「絶対に話しかけるな!」だろう。
マジでこの通りになったらしい。近づくだけで女性が逃げていく。それも店外へ。店長からは積極的に話しかけないとダメだと言われるけれど、やればやるほど女性客は背を向ける。あまりに辛くて、休憩時間に号泣したとのこと。
ここからがすごい。自分はデブでブサイクだから女性客が逃げる、ということを受け入れた。だったらちがう方法で接客するしかない。そこで著者が生まれつき持っているであろう観察眼が、フルに活用される。
女性客を見ていると、本気で買おうとしている人と、ただ服を合わせたいだけで来店している人に分かれるらしい。だから合わせにきているだけの人に売り込んでも絶対に売れない。ましてや自分はデブでブサイクだから。
だけど少しでも買う気のある人は、どんどん合わせてみて気に入れば買うことに気がついた。そこで著者は、見込み客が手にとって合わせている服をすべて記憶した。そしてその客が試着したいと声をかけてくると、女性がそれまで迷っていた服を集めて、試着室の前にさりげなく用意しておいた。
すると女性はたいてい驚くらしい。なぜ自分が気にしていた服がここにあるのか。それで会話が始まる。著者は素知らぬ顔で、「この服がお似合いかと思って持ってきちゃいました。試着されてみませんか?」としれっと答える。
このパターンに変えてから、売上成績が一気にアップ。アルバイトながら、カリスマ店員のようになったらしい。いやいや、マジで素晴らしいよね。この人は社会人になっても、きっと何かを成すだろうと思う。やる気をもらえる素晴らしい記事だった。
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