DNAは最強のメモリー装置
DNAはその人の生まれてからの記憶、さらに過去生の記憶、そして両親から受け継いだ人類としての記憶が保存されていると、ボクは勝手に思っている。
そのことをテーマにした小説を書いたことがある。科学的根拠はいっさいないけれど、直感的な感覚でそうだと信じている。
少なくともいまの人生における経験は、DNAに刻印されていることが実証されている。
「マッスルメモリー」は遺伝子レヴェルで実在していた──「運動の記憶」がDNAに刻まれるメカニズムが判明
DNAには「マッスルメモリー」という機能があるらしい。そのことを証明するための実験がイギリスの科学者たちによって行われた。
ほとんど運動したことのない人に7週間をかけて筋トレをさせる。それなりに効果があるだろう。
その後、7週間の休養を取る。するとせっかくついた筋肉が落ちてしまう。ところが再びトレーニングを始めると、筋トレをする以前よりも効率よく筋肉が肥大化することがわかった。つまり7週間前の筋トレの記憶が肉体に残っているということ。
これはDNAにおける『エビジェネティクス』という機能によって起きる。DNAそのものを変化させることなく、人間が経験した刺激によって遺伝子をオンにしたりオフにするというもの。
7週間の筋トレをした人は、筋肉に関する遺伝子がオンになっていた。休養することで筋肉が落ちても遺伝子がオンのままなので、筋トレを再開すればすぐに筋肉が復活するそう。これが「マッスルメモリー」と呼ばれている。
この研究成果によって、スポーツ選手等のアスリートが負傷で休養したとき、再び最前線に戻るためのトレーニングに応用できるとのこと。DNAが記憶しているわけだから、経験のあるアスリートにとっては朗報だよね。
このDNAのメモリー機能は、筋トレのあとに『休養』することがポイントらしい。休養中にその経験を忘れないよう、DNAは記憶装置を働かせるのだろう。この記事を読んで、ボクはあることを思った。
「マッスルメモリー」が可能なら、「メンタリメモリー」も可能じゃないだろうか?
精神的に辛いことや悲しいことを経験したとき、それらを克服できるスイッチが入るように思える。苦しい筋トレによって筋肉が増強されるように、辛い経験によってメンタルの耐性が高まるような気がする。
そうなるとやはり『休養』がポイントになってくる。筋トレを休むのと同じ意味合いで考えると、メンタルの休養はやっぱり『睡眠』かな? そして睡眠中の『夢』も大きな要素であるような気がする。
辛いことが続くと眠れない。でもどうにか眠れる状態にまでなることで、メンタルを強くする遺伝子がオンになるのでは? そうなると次に同じような経験をしても、比較的無難に対応できるメンタルの強さを持てるのでは?
勝手な発想だけれど、そんな気がするなぁ。とにかくDNAというのは、人間の想像を超える未知の能力を持っていると思う。この先にAIや量子コンピューターが研究に導入されることで、DNAの知られざる能力が明らかになってくるかもしれないね。
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