住まい探しの盲点
京都から神戸に引っ越して14年目となった。引っ越しするときにまだ2歳だったミューナが16歳になろうとしているんだから、それだけの時間が経ったということ。それゆえ最近は意識していないけれど、神戸のマンションを購入する際はそれなりに勉強した。
不動産売買に関する民法から、引っ越し先の地価、交通事情やスーパー等の利便性もチェックした。なかでも大切なのは立地環境。これから暮らそうとする場所が、どのような環境にあるかをチェックすることは欠かせない。
よく言われるのは、時間を変えて、季節を変えて、そして天気を変えてチェックするということ。昼間は明るい雰囲気でも、夜になると思ったより暗いということがあるかもしれない。台風等の災害時に、浸水や崖崩れの可能性があるかも気になるところ。
これらのことは、手間を惜しむことがなければチェックできる。でもどれだけ頑張っても、なかなか本質を見抜けないことがある。ある意味、住まい探しの盲点のようなもの。
その盲点とは、隣人をチェックできないということ。ある記事を読んで、そのことを久しぶりに感じた。
マンション隣人の止まらない「嫌がらせ」に、34歳男性がとった“驚き”の行動の「全貌」
隣人とのトラブルは集合住宅につきもの。リンク先の記事もなかなか大変だったみたいで、その人の立場になればうんざりするような内容。クレームをつけてきた隣の女性は、以前からトラブルメーカーだった。
それゆえ賃貸住宅のオーナーも事情をわかっている。だけどその女性がオーナーの妹だということで、出ていけというわけにいかない。結果として男性の引っ越し費用を全額負担することで解決したとのこと。
ボクのように新築マンションを購入した場合、上下左右で隣人となる人のチェックができない。引っ越しが始まって挨拶をして、ようやくどんな人が暮らしているのかわかる。さらに集合住宅は引っ越しもあるので、住人が変わることも多い。
京都のマンションに暮らしていたとき、ボクは上階の住人の騒音に悩まされていた。早朝からドンドンと飛び跳ねる音で起こされる。知的障害のある子供の行為なので、あまり強く抗議できない。だから神戸に引っ越すときは、絶対に最上階にしようと決めていた。
中古マンションを購入する場合なら、なんとなく隣人の雰囲気を感じ取ることは可能。物が散らかっているとか、子供が騒いでいる程度のことはわかるかもしれない。だけどリンク先の例のように、実際に暮らしてみないと実態がわからないことの方が多い。誰でも最初は猫をかぶっているから。
これは一戸建ても同じ。なんとなくの様子しかわからないので、引っ越して初めて隣人の正体がわかる。だけどそのときには遅い。賃貸なら引っ越すことも可能だけれど、持ち家の場合だとそう簡単にいかないから困ってしまう。
実際、隣人とのトラブルで殺人事件となった例はいくつもある。隣人とのトラブルは泥沼化しやすい。分譲マンションの鉄則は、絶対に直接交渉しないこと。管理組合を通じて、差し障りのないように伝えてもらうしかない。効果があるかどうかは別として。
賃貸の場合だと、リンク先の記事のようにオーナーか、管理している会社に事情を相談するしかないだろう。困るのは一戸建て。こればかりは仲介してくれる人がいないので、なかなか難しい。特に分譲住宅だと大家さんもいないから、トラブルになるとちょっと大変そう。
将来的に引っ越しすることがあるとすれば、できる限り隣人に関するアンテナを伸ばすしかないんだろうな。でもこれは運任せしかないような気がする。
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