ファウンデーションの扉を開けた
『ファウンデーション』というテレビドラマを昨年に観た。アイザック・アシモフという著名なSF作家の原作をドラマ化した作品。ただシーズン2の放送まで待てないし、そもそも前提となる設定が複雑で謎が多い。
ということで原作に挑戦中。先日までは『ファウンデーション』の設定がチラホラと出てくる小説を読んでいた。それらは雰囲気を感じることはできたけれど、あくまでも前菜でしかない。ということでようやくメイン料理となる『ファウンデーション』の扉を開けた。
2022年 読書#18
『ファウンデーションへの序曲』上巻 アイザック・アシモフ著という小説。このシリーズが最初に出版されたのは1951年。そしてシリーズ最後の作品が出版されたのは1993年。最初はその出版順に読もうかと思った。
ところが調べてみると、物語の時系列はまったくちがう。映画の『スターウォーズ』のように、あとから出版された作品が前提となっている。せっかくこの世界観を楽しむのなら、出版順ではなく時系列順に読もうと思った。ということでトップバッターとして、1988年に出版されたこの作品から読むことにした。
さてドラマの中心人物はハリ・セルダンという数学者。心理歴史学の創始者とされていて、数学的な計算によって全宇宙を支配しているトランター帝国の滅亡を予言した。皇帝はその内容を恐れ、セルダンを亡き者にしようとする。これがドラマの始まりだった。
ドラマのセルダンは、頭が真っ白の老人。ジャレッド・ハリスというイギリスの俳優さんが演じていて、ボクの頭には彼の顔がセルダンとして固定されている。ところがこの本のセルダンは若い。まだ駆け出しの学者で、30歳前後という設定。だから読み始めてしばらく頭を切り替えるのが大変だったwww
セルダンは辺境の惑星であるヘリコン出身。数学者の彼はある論文を発表したことで注目され、トランターの初代皇帝であるクレオンに呼び出される。心理歴史学によって帝国の未来を予言させようとしたから。だけどセルダンはその申し入れを断る。なぜならこの段階では、まだ未知の理論だったから。
ドラマではいきなり帝国の滅亡を予言しているのに、若いセルダンはまだその理論を確立していなかった。皇帝と別れてトランターから出身地のヘリコンへ戻ろうとしたとき、彼はいきなり暴漢に襲われる。このシーンはちょっと面白い。セルダンはなんと格闘技の達人だった。ドラマの彼はただの老人だけれどwww
その場に居合わせたヒューミンという男性に助けられたセルダンは、ヘリコンに戻らないように言われる。皇帝はセルダンを危険人物として、未来の予言を完成せないようにする。それは常に監視して、場合によっては命を奪うということ。そこでヒューミンはトランターの治外法権である大学に彼を招く。
つまりそこで心理歴史学を完成させてほしいということ。実は皇帝に反する組織も、その予言を求めていたから。ところが安全なはずの大学でも彼は命を狙われてしまう。帝国のスパイが潜入しているらしい。そこでヒューミンと相談した結果、セルダンはマイコゲンという食糧供給だけを目的とした部族の地に潜むことになった。
ヒューミンの手助けをしているドースという女性と共に、やがてセルダンは停滞していた社会心理学を完成するヒントを見つける。それはマイコゲンで古代から語り継がれている歴史だった。数えきれないほど存在する人類の期限は、地球というひとつの惑星だったという伝説。
ここまでが上巻。まだ若いセルダンが、必死になって自分の理論を見つけようとしている物語。ドラマではすでに初代皇帝クレオンのクローンが代々の皇帝となっていた。原作もそうなっていくのかな? とりあえず下巻を近いうちに読もうと思っている。
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