悪役でいられないオジサンたち
トム・クルーズ主演で知られている『ジャック・リーチャー』シリーズという作品がある。すでに25作品が出版されていて、2作品が映画化されている。ボクは映画をきっかけにして原作を読み始めた。残念ながら日本では13作品しか邦訳されていない。
邦訳は順不同なのでバラバラ。まだ未読だったのが昨年に出版された作品。シリーズとして7作品目となる。上下巻に分かれていて、その上巻を読了した。
2022年 読書#118
『宿敵』上巻 リー・チャイルド著という小説。ジャック・リーチャーは陸軍の元憲兵。現役時代に逮捕しようとしたクインという男がいた。ところが何かがあって、彼を取り逃している。タイトルの『宿敵』というのはこのクインのことで、街で彼を偶然見かけたことでジャックが動く。
その結果として、クインと関係しているザカリーという麻薬密売人のボスの部下として潜入する。バックアップしているのスーザンという司法省麻薬取締局捜査官の女性。このスーザンとジャックがワケアリの関係になるのは、いつものお約束。これは映画のジャックにはないキャラ。
詳しい感想は下巻を読了したら書こうと思っている。上巻の最後でジャックは、ザカリーの部下を排除(つまり殺した)したことで、護衛役として雇われることに成功している。とにかく原作のジャックは映画とはちがう。そのことがわかっているのに、どうしてもトム・クルーズの姿を重ねてしまう。
ということでドラマ版のジャック・リーチャーを観ることにした。こちらは原作のキャラに忠実らしい。一度上書きしないと、原作を読んでいるときに軟派のトム・クルーズが頭に浮かんで混乱してしまうからなぁwww
ついでに懐かしい映画を観たので記録を取っておこう。
2022年 映画#200
『ザ・ロック』(原題:The Rock)という1996年のアメリカ映画。『コン:エアー』で本格的にブレイクするころのニコラス・ケイジが主演した作品。写真でわかるようにまだ髪の毛が豊だわ。
ニコラス・ケイジが演じるグッドスピードはFBIの捜査官。専門は化学兵器のスペシャリストなので現場での経験がない。そんな彼が観光地となっているアルカトラズ刑務所に派遣されることになった。
エド・ハリス演じるハメル准将が海軍のVX兵器を奪い、観光客を人質にとってアメリカ政府を恐喝したから。武装した兵士たちによってアルカトラズ島は占拠されていて、アメリカの特殊部隊も手が出せない。
そこで登場するのはショーン・コネリーが演じるメイソンという男。正体はイギリスのスパイで、FBIの極秘文書を盗んだけれど隠した場所を言わない。それで裁判にもかけられず不当に拘束されていた。彼は脱獄の名人で、遠い昔にアルカトラズ刑務所からの脱獄に成功している。
ということでグッドスピードとメイソンが、武装した反乱軍と戦うという作品。写真にある緑の玉がVXガスで、その死に方が恐ろしい。そしてもしガスに触れたら、アトロピンという薬を『心臓』に注射しなくてはいけない。このシーンがめちゃ怖い。
まぁ物語は予定調和で、反乱軍も鎮圧に向かった特殊部隊も全滅する。助かるのは人質、そしてメイソンとグッドスピードだけ。それでも当時の映画としてはハラハラドキドキの面白い作品になっている。だってプロデューサーがジェリー・ブラッカイマーだから当然だろう。
久しぶりにこの作品を見て、エド・ハリスとショーン・コネリーという俳優の使い方が上手いと思った。映画ではどちらも好人物とは言えない役。エド・ハリスは反逆者だし、ショーン・コネリーはスパイで脱獄の名人。映画の途中でも、逃げ回ったことで街を大混乱に陥れている。
だけどこの二人が登場するだけで、根は善人だということがわかる。ショーン・コネリーは007のイメージがあるし、エド・ハリスも人格者を演じることが多いから。だから映画を観ていても、彼らがどこかで人間らしさを見せることはわかる。悪役でいられないオジサンたちだけれど、ボクは二人とも大好き。
ショーン・コネリーは残念ながら亡くなってしまったけれど、エド・ハリスは少しでも長く現役を続けてくれたらと願っている。ボクは彼が大好きなんだなぁ。
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