スビトリーナ、辛くも2回戦突破!シャラポワ不在の全仏オープン2017、その9(女子テニス294)
テニスで強い選手が負けるケースとして、もちろん調子が悪いという試合もありますが、一番怖いのは格下の相手選手が「失うものは何もない」状態でプレーするときだと思います。
コートの妖精、エリーナ・スビトリーナの2回戦は格下のピロンコバでしたが、ピロンコバは「失うものは何もない」ので、ボールはコートの両角の深いところに決まりまくり、このテニスをされたら誰も勝てないという120%のゾーン状態で、スビトリーナはあっさりと1stセットを落としました。
正直、ボクは負けを覚悟しました。
しかし、1stセットを取ったことで、ピロンコバに「失うもの」ができてしまいました。
それは、「優勝候補のスビトリーナ相手の勝利」です。
1stセットのあとにスビトリーナはバスルームブレークを取りましたが、もちろん用を足したかったからではないと思います。
ちなみに、バスルームブレークは、用を足さなくても反則にはなりません。
そして、スビトリーナはわかっていたのでしょう。
「失うものができた」ピロンコバのテニスのパフォーマンスが、2ndセットに入ると下がることを。
その上で、スビトリーナはそれまで打っていなかったダウンザラインを打ちまくり、ただでさえ勝ちを意識してパフォーマンスが80%に落ちているピロンコバは、クロスだけでなくダウンザラインも警戒しなければならなくなりました。
そして2ndセットをスビトリーナが取ると、ピロンコバは今度は「得るものが何もない」状態になります。
すなわち、「やっぱりスビトリーナには勝てない」という気持ちが芽生えます。
ちなみに、こうした気持ちが芽生えるから、ピロンコバはランキング77位に甘んじているのだと思います。
3rdセットはスビトリーナの楽勝という、終わってみればなんでもないような試合でしたが、スビトリーナは今後、「失うものは何もない」状態の選手と対戦し続けなければなりません。
スビトリーナが今後、世界ランク1位を奪取できる選手かどうかがわかる、それだけの要素が詰まった試合でしたが、そうした試合を見事に勝ち切ったスビトリーナは、やはりカロリーナ・プリスコバなどと並んで、今後の世界ランク1位候補の選手であることを再認識できた試合でした。
と、余裕をぶっこいてブログを書いていますが、一度は負けを覚悟したので、おじさん、半べそかきながら試合を観ていました(笑)
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