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モンティ・ホール問題・中学生でもわかるのに、京大生が全員間違えた!?

 

ボクは知らなかったのですが、この問題はとても有名で、特にカジノでバカラをする人にとっては常識らしいです。

 

 

その問題とは、「モンティ・ホール問題」。

 

 

 

元々は、モンティ・ホールが司会を務めるアメリカのゲームショー番組に由来するそうですが、極めて単純な問題です。

 

 

①プレーヤーの前には3つのドアがあり、1つのドアの後ろには「あたり」の車が、2つのドアの後ろには、「はずれ」を意味するヤギがいます。

 

 

②プレーヤーは、「あたり」のドアを当てると、その車がもらえます。

 

 

③プレーヤーが1つのドアを選択した後、司会のモンティが残りのドアのうちヤギがいるドアを1枚開けてヤギを見せます。

 

 

④ここでプレーヤーは、「最初に選んだドアを、残っている開けられていないドアに変更してもよい」と言われます。

 

 

そして、問題は、「このとき、プレーヤーはドアを変更するべきかどうか?」

 

 

ボクは、京都大学を卒業して、現在はテレビ番組関係の仕事をしている年下の友達に、GW中にこの問題を出されました。

 

 

そして、なんの迷いもなく

 

 

「ドアを変更しても、しなくても同じでしょう。だって、確率は2分の1じゃん」

 

 

と答えました。

 

 

すると、彼は言いました。

 

 

「大村さん、間違えてますよ。

 

 

正解は、『ドアを変更するべき』です。

 

 

なぜなら、ドアを変更した場合には、「あたり」を当てる確率が2倍になるからです」

 

 

正直、「こいつ、何を言ってるんだ」と思いました(笑)。

 

 

すると、京都大学の理系の学部(学部は伏せます)を卒業している彼が続けました。

 

 

「まあ、間違えて当然ですよ。

 

 

ボクが大学生のとき、数学の時間に先生がこの問題を出したんですが、

 

 

出席者全員が間違えましたから。

 

 

でも、説明を聞くと、中学生でも簡単にわかるんですよね」

 

 

 

 

ということで、早速、この問題の正解を見ていきましょう。

 

 

まずは、単純化するために、2つの条件を付けます。

 

 

・回答者は、必ずAの扉を選ぶ

 

 

・回答者は、必ず扉を変更する

 

 

では、最初のケースです。

 

 

A B C

○ × ×

 

 

これは、Aの扉が正解の場合です。

 

 

この場合、扉係は、BかCのいずれかの「はずれ」を開かなければなりませんが、どちらでも同じことなので、ここではCの扉を開いたとしましょう。

 

 

そして、回答者は、「必ず扉を変更する」わけですから、扉をAからBに選び直して「はずれ」となります。

 

 

 

 

A B C 

× ○ ×

 

 

今度は、Bの扉が正解で、回答者は「はずれ」のAの扉を選んでしまいました。

 

 

このとき、扉係は、Bの扉は開けませんので、「はずれ」のCの扉を開きます。

 

 

そして、回答者は、「必ず扉を変更する」わけですから、扉をAからBに選び直して「あたり」となります。

 

 

 

A B C 

× ×  ○

 

 

今度は、Cの扉が正解で、回答者は「はずれ」のAの扉を選んでしまいました。

 

 

このとき、扉係は、Cの扉は開けませんので、「はずれ」のBの扉を開きます。

 

 

そして、回答者は、「必ず扉を変更する」わけですから、扉をAからCに選び直して「あたり」となります。

 

 

 

 

いかがでしょうか。

 

 

話をかなり簡素化していますが、次のことがわかりましたか?

 

 

扉を変更した場合のはずれる確率→3分の1

扉を変更した場合の当たる確率→3分の2

 

 

見事に、扉を変更したほうが、当たる確率が2倍になっています。

 

 

 

 

実は、この問題は、「100枚の扉」で考えると、さらに単純になります。

 

 

まず、100枚の扉から1枚だけ選びます。

 

 

そして、この扉が「あたり」の確率は、もちろん100分の1です。

 

 

まあ、ほぼ確実に「はずれ」を選んでいますので、ここでは「はずれ」を選んだと仮定しましょう。

 

 

そして、扉係は、残った99枚の扉のうち、「あたり」ではない98枚の扉を開きます。

 

 

すなわち、扉係が開かなかった、残った扉が「あたり」です。

 

 

このような問題なら、誰も迷わずに、「扉は変更したほうが良い」とわかります。

 

 

要するに、これは「確率」というよりも「錯覚」の話です。

 

 

選んだ扉が「あたり」の確率は100分の1。

 

 

それ以外の扉に「あたり」が入っている確率は100分の99。

 

 

そして、あなたは、「100分の1の確率で当たる扉と、100分の99の確率で当たる扉のどちらを選びますか?」という問題なのです。

 

 

ところが、この扉の枚数が3枚と少なくなってしまうと、混乱してしまうわけです。

 

 

しかし、扉の枚数が3枚だろうと、100枚だろうと、理論的にはなんの違いもありません。

 

 

扉は、変更するべきなのです。

 

 

ちなみに、扉を変更したときに「あたり」を引く倍率は、「扉の枚数-1」倍になります。

 

 

3枚なら、扉を変更すれば、当たる確率は2倍に。

 

 

100枚なら、扉を変更すれば、当たる確率は99倍になります。

 

 

 

 

つくづく思うのですが、この問題が解ける人の地頭の良さも凄いですが、最初にこうした「錯覚」を思い付く人の頭の中ってどうなっているんでしょうね。

 

 

ちなみに、このモンティ・ホール問題は、IQ225で「世界一の天才」としてギネス認定されているマリリン・ボス・サヴァントさんが雑誌のコラムで見事に正解を示すと、多くの数学者の反論を買ったそうです。

 

 

ちょっと問題をひねられるとわからなくなってしまう数学者に、マリリンさんは歯がゆい思いをしたでしょうね。

 

 

「世界一の天才」にとっては、きっと「朝飯前」の問題だったでしょうから。

 

 

もっとも、彼女がこう言ったかは定かではありませんが。

 

 

“It’s a piece of cake!”

 

 

 

 

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1-2 マクロを含むブックを保存する/開く
1-3 マクロの記録でマクロを作成する
1-4 マクロを編集・実行・登録する
1-5 マクロの構成と基本用語
1-6 Visual Basic Editorの基礎知識
1-7 エラーへの対処とイミディエイトウィンドウ

 

Chapter 2 VBAの基本構文を理解する

2-1 マクロの記録の限界
2-2 VBAの基本用語と基本構文
2-3 オブジェクトの親子関係
2-4 コレクションを操作する(すべてのブックを閉じる)

 

Chapter 3 ブックとシートをVBAで操作する

3-1 ブックを開く/閉じる
3-2 ワークシートの印刷プレビューを実行する
3-3 ワークシートを削除する
3-4 ワークシートを表示/非表示にする
3-5 シートを扱うときの注意点

 

Chapter 4 セルをVBAで操作する

 

Chapter 5 変数を理解する

 

Chapter 6 条件分岐を理解する

 

Chapter 7 繰り返し処理(ループ)を理解する

 

Chapter 8 対話型のマクロを作る

 

 

Part2 実践編

 

Chapter 9 変数の上級テクニックとユーザー定義定数

 

Chapter 10 ユーザーフォーム

 

Chapter 11 基本的な入力や表示を行うコントロール

 

Chapter 12 選択を行うコントロール

 

Chapter 13 その他の便利なコントロール

 

Chapter 14 文字列を操作する関数

 

Chapter 15 日付や時刻を操作する関数

 

Chapter 16 その他の便利な関数

 

Chapter 17 マクロの連携とユーザー定義関数

 

Chapter 18 イベントマクロ

 

Chapter 19 エラー処理

 

Chapter 20 画面表示と組み込みダイアログボックス

 

Chapter 21 グラフをVBAで操作する

 

Chapter 22 ファイルの操作

コメント (21件)

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  1. モンティホール問題は確立の問題ではなく、出題者が当てさせようとしてるのか外れさせようとしてるのかにかかってる。
    外れさせるつもりなら、最初の選択が正解の場合のみ、再選択を提案する。
    常に提案するなら、当てさせるつもりがあるということ。
    どちらのケースなのか、回答者が見抜けるかどうかにかかってる。
    確率の問題というよりは情報戦や心理戦ですね。

  2. 混乱しないで下さい(笑)

    私も基本的には選び直す説派ですので。

    確率とは[ある事象を無限回数試行した時の極限値]ですからシュミレーションの結果が一番解に近いのですから。

    とは言え、このモンティホール問題での解の説明の中に疑問がある説があるのも事実です。

    例えば総当たり説。
    よく見かける説では事象のパターンは3×3の9パターンとしているものが多いですが、実際にはプレイヤーが当たりを選んでいた時のモンティの選択はハズレAとハズレBの2パターンあり、それにプレイヤーがハズレAとBを選んだ場合の2パターンで4パターン、ドアは3つなので計12パターンでこれだと1/2の確率になってしまいます。

    目下の私の論文の核は[何故消失した存在確率が偏向するのか?]になっています。

    と言う訳で、本業に戻ります(笑)
    お付き合い頂き有り難うございました。

  3. 度々失礼致します。
    読み物として面白くなるのなら量子学的思考も面白く感じられるかと思いコメントに入れさせて頂きます。

    と言っても難しくはないのでご安心を。

    最初の状態では全てのドアの向こうに
    [車が1/3、ヤギAが1/3、ヤギBが1/3]存在する。
    (3つのドアの向こうを合計すると車が1台、ヤギAが1匹、ヤギBが1匹になります)
    プレイヤーがどのドアを選択しても開けてない以上、他のドアの向こうと同じなのでこの状態は変わりません。
    次にモンティが残ったドアの内ヤギA若しくはヤギBがいるドアを1つを開けます。ここではヤギAがいたとします。

    ヤギAの存在確率はこの時点でこのドアの向こうに全て集結するので他のドアのヤギAの存在確率は0になります。
    逆に車とヤギBの存在確率はこのドアの向こうから消失し、残りの未確認のドア2つ(プレイヤーの選んだドアもまだ未確認なのでこれに含まれます)に均等に分けられます。

    すると、おや、プレイヤーの選んだドアの向こうには車が1/3+1/3/2=1/2
    ヤギBが1/3+1/3/2=1/2
    に、
    残されたドアの向こうも
    車が1/3+1/3/2=1/2
    ヤギBが1/3+1/3/2=1/2
    になってしまいます。

    仮に残されたドアの向こうにモンティが開けたドアの向こうから消失した存在確率が全て移動するとするとその存在確率の偏向には理由が必要になります。

    面白いですよね、考え方次第でどちらにも正しいとする証明が出来てしまいます。

    • >と言っても難しくはないのでご安心を。

      いえ、ボクには十分難しいです(笑)
      というよりも、混乱してきました。

      これが俗に言う「シュレーディンガーの猫」で有名な「観測量理論」なのでしょうか?

      いずれにしても、IQ228の世界一の天才から数学者、
      ついには量子力学と、これだけ議論されるトピックはおっしゃる通り面白いですね!

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大村あつしプロフィール

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大村あつし

1996年8月にエーアイ出版より『Excel95で作るVBAアプリケーション〜 VBAで作る販売管理システム〜』でITライターとしてデビューしたが、2007年6月にゴマブックスより出版された『エブリ リトル シング〜人生を変える6つの物語〜』で小説家に転身。まだ、IT書籍の執筆は一部、続けているが、現在の活動は小説が中心となっている。

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