今日の言葉 6月6日
『エネルギーの最もすばらしいあり様』
エネルギーの最もすばらしいあり様、極点とは、観念や思考、方向性や動機を全く持たない時の精神状態のことです。それは純然たるエネルギーです。しかしそのエネルギーの特質を追い求めることはできません。「では、それを手にいれる方法なり、やり方なり、手段なりを教えてほしい」と尋ねることはできないのです。なぜなら、そこに至る道などないからです。
このエネルギーの本質を自分自身で見出すためには、まず、日々失われているエネルギーを理解することから始めなければなりません。すなわち話をしている時、鳥のさえずりや人の声を聞いている時、川や広大な空、あるいは汚れ、世話されておらず、病み、半ば飢えている村人たち、そして夕刻、全ての日の光から身を引いていく木を眺めている時のエネルギーのことです。どのような物事をであれ、それを観察していることそれ自体がエネルギーです。
そして私たちは食物を通して、太陽光線を通して、このエネルギーを摂取します。人が有するこの物理的日常的エネルギーは、勿論、正しい食事などにより、拡張、増大させることができます。これは言うまでもなく、必要なことです。しかしそれと同じエネルギーがプシュケ(精神)、つまり思考のエネルギーとなって、内部に矛盾を抱えるや否や、今度はそのエネルギーが総体としてのエネルギーを浪費してしまうのです。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜