今日の言葉 7月16日
『自己イメージは苦痛をもたらす』
なぜ人は怒るのでしょう? それは傷つけられたから、誰かに意地悪なことを言われたからです。しかし誰かにお世辞を言われれば、いい気分になります。ではなぜあなたは傷つくのか? 自尊心があるからではありませんか? ではなぜ自尊心はあるのでしょうか?
何故なら、自分はこうあるべきだ、こうである、こうあるべきではないという観念、自分に対するシンボル、自己イメージをあなたが抱いているからです。なぜ人は自己イメージを作り出すのでしょうか? それは実際に、自分の何たるかを注意して観察したことがないからです。
私たちは自分がこうあるべきだ、あああるべきだ、理想に即してあるべきだ、英雄であるべきだ、模範であるべきだと考えます。そして自分の理想、自分に抱いている観念が攻撃を受けると、怒りが呼び起こされます。しかしながら私たちが自分に抱いている観念とは、あるがままの自分という事実からの逃避手段です。あるがままの自分という、現にある事実を観察するならば、あなたを傷つけることのできる人など、どこにもいません。
仮にある人が嘘つきで、他人からそう言われたとしても、それでその人は傷つくことはありません。嘘つきは事実なのです。しかし嘘つきでないふりをしている時に、他人から嘘つき呼ばわりされると、その時は怒って、凶暴になります。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜