今日の言葉 7月19日
『怒りの終焉』
私たちは誰でも怒りを抑えようと試みたことがあるに違いありません。しかしどういう訳か、それでは怒りは消えないようです。では怒りを追い払うのに、別の取り組み方でもあるのでしょうか?
自分の信念や考え、意見を最も重視しているならば、それが疑問視された時、あなたが暴力的な態度に出るのは必至です。信念や見解にしがみつく代わりに、そういったものが自分の生の理解に必要不可欠なものであるかどうかを問い始めると、原因の理解を通して、怒りに終焉がもたらされます。このようにして、人は葛藤と苦痛を引き起こす、自分自身の抵抗を理解し始めるのです。
不正を耳にすると腹が立つ、とあなたは言いますが、人類を愛するが故に、そう言っているのですか? 思いやりがあって、そう言っているのですか? では思いやりと怒りは両立するでしょうか? 怒りや憎しみのあるところに、正義はあり得るでしょうか?
あなたはおそらく一般的な不正、残酷さに関する考えに腹を立てているのでしょう。しかしあなたの怒りで、不正や残酷さが改められることはありません。怒りは単に害を及ぼすだけです。秩序をもたらすためには、あなた自身が思慮深く、思いやり深くあらなければなりません。憎しみから生まれた行為は、更なる憎しみだけしか生み出せません。怒りのあるところに、正義はあり得ません。正義と怒りは両立できないのです。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜