今日の言葉 8月3日
『真理には留まる場所がない』
真理は事実であり、事実が理解され得るのは、精神と事実の間に置かれた様々なものが取り除かれた時だけです。事実とは、財産や妻、人々や自然、観念などと自分とのつながりであり、このつながりという事実を理解しない限り、神を探し求めても、それは一層の混乱をきたすだけです。なぜなら、それは事実についての理解を神の探求に置き換えることであり、現実逃避であり、故に何の意義もないことだからです。
探し求めない人、躍起になって努力しない人、目標を達成しようとしない人、このような人のみが真理を知ることでしょう。真理はいつまでも続くものではありません。真理には留まる場所がないのです。真理は一瞬一瞬においてのみ、目にすることができます。真理は常に新しく、故に時を超越しています。昨日真理だったことは、今日は真理ではありません。
経験を真理と呼んで、それを継続させたがるのは精神です。ですからこのような精神が真理を知ることはありません。真理は常に新しいのです。それは同じ微笑みを見ても、その微笑みを新たな心で見ることであり、同じ人に会っても、その人物を新たな眼差しで見ることです。それは風にそよくヤシの木を新たな眼差しでみることであり、新たな心で生と直面することなのです。
〜クリシュナムルティ著『四季の瞑想—クリシュナムルティの一日一話』より〜