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高羽そらさんインタビュー

妻の言い分に納得

見事な秋晴れの神戸です。朝から青空が広がり、太陽の光が燦々と部屋に注ぎ込んでいました。でも風は乾燥していて気持ちいい。とても過ごしやすい1日でした。

 

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昨日の散歩中に撮影した写真です。つい先日も名前がわからないままブログにアップしましたが、藤袴(フジバカマ)という名前とのこと。妻が教えてくれました。名前通りの美しい花ですね。

 

今日は超、超、超、寝不足でした。文章を書くことに集中したり没頭していると、神経が高ぶることがあります。昨日がまさしくその状態で、午前4時近くまで眠れませんでした。そんな寝不足を吹き飛ばしてくれたのは、女子中高生の大歓声です。

 

自宅のすぐ近所に私学の女子中高があります。バルコニーから校舎やグラウンドが見える距離です。今日は運動会だったのです。6学年分の若い女性が歓声を上げますから、その賑やかなこと。少しうたた寝しつつも、その元気な声にパワーをもらいました。男子校じゃなくって良かったです!

 

女性はパワフルですね。そんな女性が持つ強いエネルギーを感じさせてもらえる本を昨晩読了しました。

 

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『高杉晋作 —戦闘者の愛と死—』古川薫 著という本です。

 

今年に入って大河ドラマの影響で、吉田松陰と高杉晋作を追いかけてきました。かなりの本を読むことができましたので、これで一応打ち切りです。これは昭和48年に出版された小説です。でも時代小説はいつ読んでも色あせないですね。特定の時代に特化していますから、変な言い方ですが古さを感じません。例えば現代を書いた小説であっても、ファミコンやテレホンカードが出てきたら、妙な古臭さを感じますものね。

 

前半は素晴らしかったのですが、後半が尻すぼみになった印象が強かったです。晋作の前半生に力を注ぎ過ぎて、晩年近くの人生がとても雑に書かれていたように感じました。ところが晋作という人は、死ぬ数年前に輝きを見せる人物です。

 

迷走する長州の藩論をクーデターで一つにまとめあげた立役者が、開国を主張したことで刺客に狙われます。晋作は身請けして一緒に暮らしていた芸妓のおうのを連れて、大阪から四国にかけて逃亡します。とても興味深い場面なのですが、そのあたりはスルーされていました。ちょっと残念でしたね。

 

さて、なぜこの小説から女性のパワーを感じることができるのか?

 

三人称の視点だけでなく、妻の雅子の一人称と併記して小説が進行していくからです。雅子は明治大正を生きて、70代で亡くなっています。ある時代について妻の回想から始まり、その後に三人称の小説が続くという構成になっています。この小説が面白かったのは、その雅子の視点で高杉晋作を見ることができたからです。

 

16歳で嫁いで一男をもうけますが、晋作と一緒に暮らした年月は延べにして1年もあるかないかです。萩の自宅にいることのほうが珍しく、江戸や京都、上海や九州。そうでなければ野山獄という刑務所か、自宅の座敷牢に閉じ込められている晋作です。先ほど登場したおうのという芸妓のほうが、一緒に過ごした時間は長いでしょう。

 

そんな留守番ばかりしている立場であるにも関わらず、武士の妻として懸命に生きようとしていました。立派に長男を育て上げ、孫の顔も見ています。芸妓のおうのは伊藤博文や井上毅と顔見知りだったため、明治になって経済的援助を受けています。ところが雅子は、そうした援助を請うこともなく、生きていたそうです。

 

禄高500石の上士の娘として生まれた雅子は、足軽出身の伊藤たちに援助を頼むことは恥ずべきことだと思っていた。著者はそのように雅子を見ていたようです。本当のところはわかりませんが、気丈な女性だったのでしょう。萩では美人として有名だったそうです。

 

雅子の実際の回想録に基づいて書かれていますから、ある意味本音が語られていたかもしれません。その部分がとても面白い。いつも放っておかれた妻の言い分に納得します。そしてその強さに感動しました。

 

武士である男性にとって、明治維新は大きな意識の変革を求められたはずです。それまで信じていた武士や藩という体制が崩壊するわけですから、しかしそれは女性でも同じではないでしょうか?

 

今日の午後に日曜日に録画した大河ドラマを見ていました。廃藩置県で幕府の大奥だけでなく、諸藩の大奥も閉じられてしまいます。それまでその場所で人生をかけていた女性たちが、いきなり社会に放り出されるわけです。新たに生きる道を見つけていくことは、決して簡単なことではなかったでしょう。

 

小説のなかで、妻の雅子が明治になっても大切にしていた晋作の日記があります。他の日記や遺品等は、息子の東一が関係者に分け与えてしまいました。なぜ雅子がその1冊の日記だけを手放さなかったのか。書き記したものに妻のことを全く書かなかった晋作が、唯一妻のことを書いていた日記だったからです。

 

二人一緒に風邪をひいて寝込んでいた時の日記でした。元気になった妻を見て、晋作は本当に良かった、と心のうちを素直に書いています。自分のことが書かれているのは、たったその一行だけとのこと。そんな雅子の気持ちを思うと、とても心が温かくなりました。

 

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高羽そら|たかはそら(作家、小説家)プロフィール

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高羽そら(たかはそら)
今後の目標:毎年1つの物語を完成させたいと思います。
生年月日:昭和37年5月10日
血液型:A型
出身地:京都市

【経歴】
1962年京都市生まれ。数年前に生活の拠点を神戸に移してから、体外離脱を経験するようになる。『夢で会える 体外離脱入門』(ハート出版)を2012年1月に出版。『ゼロの物語Ⅰ〜出会い〜』、『ゼロの物語Ⅱ〜7本の剣の守り手〜』、『ゼロの物語Ⅲ〜次元上昇〜』の3部作を、2013年7月〜12月にかけて、オフィスニグンニイバよりAmazonのKindleにて出版。現在も新たな物語を執筆中。

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